伊那谷と木曽谷の間を南北に縦断する中央アルプス(木曽山脈)。 その距離は南北に約90キロ、幅は広い場所で東西に約20キロという連峰であり、昭和26年8月31日には県立公園となっている地域でもある。俗に三十六峰八千渓と言われる。 主峰は駒ヶ岳(2,956.3m)である。(地元では木曽駒あるいは西駒と呼んでいる。私たちはこれと対照して、南アルプスの甲斐駒を東駒とも呼んでいる。そして、中央アルプス西駒の南方には本ページのメインである南駒ヶ岳という山(通称南駒)も存在する。)ちなみにその他の主な山は宝剣岳(2,931m)中岳(2,925m)等があり、更に南の空木岳・南駒ヶ岳・仙涯嶺・越百岳がある。昭和42年7月に出来た「駒ヶ岳ロープウェイ」で誰でもが行ける場所となった宝剣岳直下の千畳敷カールは標高2,600m余にもなり、またそこを中心とする木曽駒周辺は現在では観光のスポットともなってきている。 ここ中央アルプスで見られる代表的高山植物といえば、「クロユリ・ヒメウスユキソウ・ハクサンイチゲ・コバイケイソウ・ミヤマエンレイソウ・イワヒゲ・ウサギギク・シナノキンバイ・キバナシャクナゲ・クルマユリ・イワカガミ・・・・等々」があげられる。また、「コマウスユキソウ」はこの中央アルプスの駒ヶ岳周辺でしか見られないウスユキソウの仲間である。また千畳敷カールのお花畑は見事であり、夏から秋にかけて素晴らしい風景を作り出している。 また樹木としては「ハイマツ・ウラジロナナカマド・ダケカンバ・ナナカマド・シラビソ・コメツガ・ブナ・・・等々」が見られる。
このような中央アルプスには、かつて「コマクサ」があったという。しかしいつの間にかそして何故か、それらは全てなくなってしまったようだ。 動物でいえば、フクロウ・ノウサギ・ムササビ・キツネ・タヌキ・カモシカ・クマ・サル・リス・イノシシ・テン等々・・が生息する(らしい)。 伊那谷側からは、伊那市・宮田村・駒ヶ根市・飯島町などそれぞれの市町村から中央アルプスへの登山口があり、登山者の目的の場所・コース等によって選ばれている。 中央アルプスは四季折々の姿を麓の伊那谷に映し出している・・・。
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中央アルプスは北アルプス・南アルプスほど長い連峰でもなく、名前が知れた山々もそれほど多くはない。しかし、縦走など十分楽しめるコースでもあり、景色もまた素晴らしいことも事実。
私ももう何年も前に伊那市の桂小場から入り、飯島町の七久保までの縦走をしましたが、それぞれに変化があり、十分楽しめることができました。過去には「聖職の碑」などでも扱われた、駒ヶ岳への学校登山での遭難ということもありましたが、学校登山は現在でも行われており、毎年夏を迎えると、上伊那郡の多くの中学校で、この西駒ヶ岳への集団登山を実施しています。
左に「島田娘」と「種蒔き爺さん」の雪形が見えています。わかりますか?
ここもロープウェイの建設により、登山者・観光客が増えました。特に春から夏にかけてのお花畑・秋の紅葉は見事なものです。又、新春の初日の出は富士山の頂上から太陽が昇るという美しい光景が見られます。私も2年ほど前の1月2日に富士山頂上からの日の出を始めて見ました。(しかしその数日後、大雪崩の遭難がこの千畳敷上部であったことも事実でした。)
この撮影場所は周囲が水田です。市街地から一歩離れれば、まだまだ田園風景が広がっています。水に映る山の風景から、苗が植えられ、やがて麓は黄色の稲穂がたわわに実り、遠くには紅葉の峰々という世界になっていきます。
5月の宝剣岳です。まだ雪がしっかり残っています。そして、手前の黒い岩場地帯が、麓から見ると「右向きの駒」に見える「正体」です。雪形のページで確認してみてください。
7月の夕暮れです。もう少し早ければ、もっと見事な夕焼け空を撮影できたのですが、何分遅すぎてこんな夕方の画像になってしまいました。しかし、あかね雲をバックに宝剣岳がシルエット状態で浮かんでいました。秋の夕暮れに負けない風景です。
ロープウェイの鉄塔が千畳敷カールに向かって所々にある様子がわかります。山の様子も7月に入って、しっかり夏の姿に変わりました。千畳敷カールもお花畑の美しい季節となりました。いよいよカールに人々が溢れます。行楽シーズン到来でもあります。どうぞ中央アルプスへ・・・。
駒ヶ根市東伊那の「ふるさとの丘」からの、中央アルプス「宝剣岳」を中心とした一帯と、麓の駒ヶ根市の眺望です。春先は特に美しいですが、夏の山もまた緑の中央アルプスとなり、壮観でもあります。この丘のすぐ近くにはハーブ園もあります。