◇ 征士 ◇


  サンタを知らないというのは、そんなに驚くべきことなのか?
 「だけど、クリスマスシーズンになれば嫌でも目にしただろう!」
 「まさか、真っ赤な大黒様………なんて言うなよなーッ!」
  秀と当麻のそんな台詞に、
 「見てはいた。が、あれは企業キャラのようなものだと思っていた」
  と答えると、遼が目を丸くして絶句した。

 「まあ、よく考えてみれば、確かにそんなもんだよね」
  冷静に受け答えしたのは伸だけだった。
  後の3人に、このまま妙な沈黙を続けてもらいたくなくて、
 「さっき、当麻は良いことを言った。一般的に純真な子どもだと
 思われる時期………今の純は、正にその範疇に入ると思うのだが、
 どうだ?」
  と、私は言った。

 「そうだな、純にはまだ、クリスマスとサンタが必要なんだよな」
  遼が頷いて言うと、
 「それって、誰かがサンタクロースをやるってこと?」
  察しの良い伸がそう言い、すかさず当麻が、
 「うーん、それだと赤い服が似合う誰かさんか、体格的に近い誰か
 さんの役目だな」

  全くこいつは、自分が面倒を避けるための言葉なら、幾らでも
 するする出てくるとみえる。だが、
  「色で決めるなよ〜」
 「体格で決めるかよ?」
    案の定、遼と秀は納得しない。

 「それに、おれたちには、ツリー用の木を調達するという重要任務
 があるもんな」
  秀は大真面目な顔でそんなことを言った。
 「じゃあ、僕はナスティと一緒に料理を担当するよ」
  すかさず伸が口を挟んできたので、遅れじと私も言った。
 「では、私は飾り付け担当だ」



 
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