◇ 秀 ◇


  自称智将の言うことは何だかよくわからねえ。
 「実際にサンタクロースをやる必要なんかないだろ、痕跡が残って、
 純にサンタの存在を信じさせることができればいいんだから」
  それって、夜中にこっそりプレゼントを置いてくるってあれか?
  子ども騙しってやつじゃねーのか、と思ってたら、征士が言った。
 「今どきの小学生が納得する方法で、だろうな?」

  任せておけ、と当麻は言って、そこでメリークリスマス大作戦の
 話は打ち切られた。
  何となく場がなごんだ後で、さっきまでは全然まとまんなかった
 戦略会議を再開したんだが、今度は当麻も、ちったあ智将らしい作戦
 をひねり出してきたし、他のやつらもさっきより協力体勢になってる。
  ほらみろ、やっぱ煮詰まってる時は、気分転換が必要なんだよ。


  居間に戻ったら、純が何だか悄気た顔してるから、
 「心配すんな、純。サンタさんはお前がここにいること、ちゃんと
 知ってるって」
  と言って、頭を撫でてやった。伸と遼も、
 「今年はここにいるみんなでクリスマス・パーティをしようよ」
  「純は、今年のクリスマスプレゼント、何が欲しいんだ?」
  なーんて、声を掛けていた。

  差し迫った状況の中、やっぱりクリスマス直前にも、おれたちは
 戦闘に出掛けるハメになって、パーティなんて、話だけになってしま
 うかもしれないって、誰もが思ってた。
  でも、おれはクリスマスの準備を楽しんでた。多分、みんなそうだ。
  闘いのことばっか考えて悲壮がっててもしょうがない。
    純のため、という名分があって、むしろ良かったのかもな。



 
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