Life miscellaneous goods series

vol.03

Mug

当麻 愛され受 度 ★★★★★
遼 当麻溺愛 度 ★★★★★

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 ここで生活し始めた頃、皆揃いでマグを買った。
 何の変哲もない、只のカップ。
 俺のは青で、遼のは赤。
 こんな風に、実に安直に決まった所有の色。
 「安直だな」と言ったら、「文句があるのっ?」と伸に脅された。

 揃いというのが何だか気恥ずかしくて、でも段々と慣れて来て。
 そんな些細な事が、嬉しかったんだ。

 それを、先日割ってしまった。
 俺だけ“自分の”がない。
 先刻も言った通り、何の変哲もない、只のカップ。
 でも、独りでいるのに慣れていた俺には、大切な物。

 物に執着しない俺には珍しく、寂しい気持ちになった。
 形ある物は、何れその姿を崩し、帰るべき場所へと戻って行く。
 それが、少しばかり早かっただけの話さ。
 取り立てて問題にする程の事じゃあない…はずだ。

 「なあ、遼は?」
 「出掛けたみたいだよ」

 リビングを見下ろして、秀と談笑していた伸に尋ねた。
 目で、「降りといで」と促される。
 どうやら、お茶の時間らしい。

 また…?
 ここの所、毎日だ。
 …何だよ、詰まらないじゃないか。
 俺を放っておいて、何してるんだ毎日。

 それから数日、遼は昼前には出て行き、夕方を過ぎて戻った。
 相変わらず、俺は毎日置いてきぼりだ。
 だって、仕様がないだろ?
 …遼が出掛けるまでに、起きれないんだから。

 「ただいま、当麻っ」

 久し振りに、午後も早い内に遼が帰宅した。
 玄関近くでごろごろしていた俺に、真っ先に声を掛ける。
 べ、別に、待ってたんじゃないからなっ。

 「僕たちもいるんだけどなぁ〜」「当麻、尻尾が見えてるぜぇ〜」とか、
 後ろの方で声がするけど、敢えて無視を決め込んだ。
 今の俺に、そんな事に構っている余裕はない。
 今日こそ、何で毎日出掛けてたのか(しかも俺を置いて)、訊いてやる。

 遼は律儀に後ろの面々に片手を上げて、「ただいま」をした。
 …そんな嬉しそうな顔すんなよな、他の奴に。

 「当麻、ほら、これ」
 「…何だ?」
 「中々同じ物がなくてさ。 やっと見付けたんだ」

 渡された包みを開けて見ると、見覚えのある青いカップ。
 それと、もう一つ、赤いカップも。

 「これ…」
 「当麻だけ新しいのじゃ、イヤかと思って。
  俺もこっち使うから、皆で買ったやつは、お前にやるよ」

 「あの時買ったから、大切に思ってたんだろ?」なんて言って。
 俺は、余りの事に、言葉も出なかった。
 「そんな事で毎日いなかったのか」とも思ったが、凄く嬉しかった。
 それもこれも、みんな俺の為。

 「当麻、本当は寂しがり屋だからな」

 驚いた。
 そんな風に見ててくれたんだ。
 俺を“独り”にしない為に、自分のまで買って来て…。
 嬉しかった。
 何だか無性に、嬉しかった。

 …知っててくれて、ありがとう。

It's finished for a while.

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  悠さんに無理やり貰って頂いた、生活雑貨Series、第3弾です。
  当麻くん、乙女思考大暴走っ!!(笑) 恥ずかしい(きゃv)
  可愛い当麻、底無しに甘やかす遼、が書きたかったのです。
  …が、甘やかし過ぎましたでしょうか…?(笑) 砂糖に蜂蜜?(甘っ)
  そう言えば私、当遼だった…はず…。 おや?(笑)
  悠さん、この様に拙い物を気に入って下さって、
  本当にありがとうございましたっvvv


具 美琴 拝

2003/09/08 UP

Dedicated to Mrs. Yu Ozaki on Christmas.