66年ぶりの「戦地からのたより」 (NO22)<伊那村報を見て考える>連載31回 伊那村報・第21号 昭和15年2月10日発行 《 雪が降った、待望の雪が降った 》 編集余録
● ☆戦線からの便り☆ 赤須喜代恵 君より、 謹賀新年 久しくご無沙汰いたし誠に申し訳ありませんお許しください。 先日は慰問袋お送りくだされ、ありがとうございました。慰問袋の着いたときの嬉しさは何ともいえません。ただ感謝の涙にくれています。 丁度勤務で隊を離れていたので、受け取るのが遅くなり、便りを出そうと思っていても、11月末から便りを書くことができずご無沙汰いたしました。 小兵、相変わらず健康で毎日国境警備に任じていますからご安心ください。 ただ今の寒さは、零下30度くらいありまして、寒い夜一人歩哨に立てば銃に氷の花が咲きます。 31日には、大阪出の慰問袋が1人に一個あて渡されました。その慰問袋を開いて楽しい正月を迎えました。 班内は破れるような騒ぎの中で書きましたからご判読ください。 まずは慰問袋お礼まで。 昭和15年1月元旦 東省安虎頭 赤須喜代恵 銃後奉公会御中 ・ 紀元2600年 たたえん建国の佳節
・ 貯蓄報国 一億一心輝く勝利 ○今日こそ昭和5年以来の不況時を回顧せよ ○今日こそ不況、減収の時に備えよ ○今月こそ消費節約報国貯金 ○昭和14年度本村貯蓄目標にはまだ5400余円不足している、3月末までに完 ・ 紀元2600年の国民奉祝歌 1、 金鵄輝く日本の 栄えある光身に受けて いまこそ祝えこの朝
《Aのコメント》 気になる、特徴的な記事を紹介しよう。@国策の線にそい、銃後経済の確立を期すため、古物改修運動を起こせ!!・古ゴム底の修理開始、バリカンとぎ器設置す。A軍部納入うさぎ毛皮・1農家6頭飼育せよ。B県外勤労奉仕隊員帰る・静岡県庵原村産業組合へみかんの缶詰作業に男6名、女3名が2月末まで奉仕する予定であったが、空缶あきかん不足のため1月末で奉仕終了、元気よく帰郷。C戦時下各種肥料不足にかんがみ、大小家畜の飼育により自給保量の増産をはかられたし。・・・と村報で強調しているが、「皇紀2600年の紀元節を“歓喜、感激”」で迎えた村民はどのくらいいたのか??。当時の子供は、みんな軍国少年、少女だったという。恐ろしいことだ。 次回予告・「戦時節米報国運動・各家庭とも実践せよ!!」 |
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