66年ぶりの「戦地からのたより」 (NO29)<伊那村報を見て考える>連載31回
《 滅 死 奉 公 !! 》 我ら大和民族は、自己をすてて、国家永遠のために努むること、2600年、日出ずる東海の大帝国は、厳として全世界に王者の貫禄を示しえた。 『自己』 生まれては 死ぬるなりけり おしなべて 釈迦も達磨も 猫も杓子も 願わくば、生きがいのある生き方、死に栄えのする死に方をしたいと思う。 ご奉公の誠を尽くして去りなんと思う。 <編集余録> ○ 清新の 気充ちて 秋来る 近衛第2次内閣を迎えて、ここに昭和の維新、新体制の出現を見んとしている。今日ほど切迫した内外の危機はない。しかも国力の伸張は、この秋をおいては他にない。国民たるものひとしく、聖代に生まれこの聖業に翼賛し奉ることの光栄に感銘し、一切を奉げて新体制に即応しなければならぬ。 ○ 新体制には、先ず“おれが、おれが”を捨てよ。“俺が”の心は、がりがりの利己主義である。小我を捨てて大我につく。個人の利益は犠牲にしても、国家の福利をはかる。 ○ 個人主義を排して、全体主義に目覚める。そして一億国民挙国一致、 天皇陛下にご奉公申し上げることが、新体制の根幹でなければならぬ。 ● ☆戦線からの便り☆ 滝沢清人 君より、 暑中お見舞い しばらく続いた雷雨も忘れたようにからりと晴れて、紺碧の空には白い綿を投げたような雲が浮かんで、このところ蒙古の戦線もすっかり真夏の姿に変わりました。 夏草や 陽炎(かげろう)燃ゆる 鉄かぶと 服破れ 戦しのぶ 三星霜 三伏の酷暑と物資統制とを腹裏に受けられた、銃後皆々様のご健康ををお祈り申し上げます。 小生も酷暑の戦線を征服すること三度、ますます元気旺盛にてご奉公いたしております。 先ずは平素のご無沙汰おわび方々近況ご通知まで。 戦捷に輝く2600年盛夏 蒙古○○高原にて 滝沢清人 銃後皆々様へ ※ 近く金の強制買い上げ実施
※ 炭の節約と自給をはかれ ※ 秋肥料配給割り当て昨年度比1割7分減 <自給肥料の増産を> 《Aのコメント》 “滅私奉公・死に栄えのする死に方”が強調されている。期せずして2つの神社建設資金の(強制)募集の記事である。●長野県護国神社整備資金(松本)・1世帯金1円。●信濃宮神社(大鹿村)1世帯金20銭。・・・・・ 神だのみ???。 次回予告・ 「日独伊三国同盟成立!村報廃刊、口から耳への非常時体制で行く」 |
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