おやじの小言

昔の子供にとって怖い存在だった親父。

でも最近子供をしかる親がめっきり少なったと思いませんか。

かみなり親父は昔の話。子供に嫌われたくなくてご機嫌取りの親までいます。

単なる仲良し親子だけなら社会の厳しさやルールを誰がしつけるのでしょう。

冷酒と親父の小言は後になってじっくり効いてくるのです。

これから毎月親父にひとこと小言を言ってもらいましょう。

 

今月の「おやじの小言」

第13話 困難な道を選べ

 

人生の岐路はいろんな場面で現れる。

そこに楽な道と困難な道が有った時,多くの人は楽な道を選ぶだろう。

わざわざ困難で苦労のありそうな道が敬遠されるのは当然だ。

しかしその楽な道を行けばどうなるだろう。

多くの人がひしめき,やっぱり競争が待っている。

楽な道が楽な結末があるわけではない,むしろ逆な場合も多いのだ。

 

困難な道を選べばそれを乗り越えたとき,

すばらしい達成感となぜか楽しい思い出だけが残るものだ。

そこで得られるものは次の困難を乗り越える上での大きな自信にもなるだろう。

 

すべてに困難な道ばかり行く必要は無いが,

目的のために必要なら,困難な道を選ぶことだ。

 

成功する人は楽しみながら困難な道を歩んでいるのだ。

 

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第12話 身の丈で暮らせ

 

昔は自分も周りも貧しかった。

日々の暮らしは決して楽ではなかったが大きな不満もなかった。

しかし,ゆとりが少し出来ると不満も出てくる。

 

いい車に乗りたい

便利な電気製品がほしい。

ブランド品がほしい。

金持ちは金持ちなりにやっぱり生活に不満がある。

人間の欲望は果てが無い。

 

だが,恐ろしいことに,人は一度贅沢を味わうと麻薬のようにやめられない。

一度上げた暮らしは簡単には戻せないのだ。

甘い欲望の海におぼれ、

贅沢を維持するために借金を始めれば雪だるまのように大きくなる。

 

大事なことは自分の身の丈(実力)を知ることだ。

自分の身の丈以上の生活をしてはいけない。

いい生活がしたければ維持できる実力をつけることが先だ。

実力以上に背伸びをして暮らせばいつか破綻がくる。

 

この話は地球に対する人間の話でもあると気づいただろうか

人間は今も地球に大きな借金を続けている。

 

人間の破綻はすぐそこに来ているのだ。

 

 

第11話 自分が死んでいる風景を考えなさい

 

自分が死んでいる風景を考えたことがあるだろうか。

人はその時がずっと先のことだと思っている。

でも、今想像してみてごらん。

 

死んだおまえの周りには誰がいるのだろう?

お前の大切な人は泣いているにちがいない。

でも影で笑っている人はいないだろうか?

人はお前に対し心の中まで話してくれるとは限らない。

自分が思っているほど他人は良く評価してはくれないものだ。

 

おまえが死んで残ったものはなんだろう。

家族のために,社会のために何が出来たのか。

何人の人を幸せに出来たのか。

やり残したことはないか?

 

お前は満足して死んでいるのだろうか。

それは明日かもしれないぞ。

 

その時に後悔しないように,今を大切に生きなさい。

 

第10話 感動の大きさは努力に比例する

 

美しい花や景色を見る。

すばらしい音楽や絵に出合う。

スポーツの試合で勝利する。

人はその世界に感動する。

だがその感動の大きさは人により大きく違う。

 

感動の大きさは何によって変わるのだろう。

 

何も知らなければああ、きれいだだけで終わる。

だがその花が探していた珍しい貴重な植物だと知っていたらなら、

その音楽を奏でる楽器と演奏家の秀逸な技能を聞き分ける耳を持っていたなら、

スポーツで勝ち取った勝利が、長年の悲願だったなら、

そして、その目的のために血の滲む努力をしてきたとすれば・・。

 

そうだ、感動はその努力の大きさによって変わるのだ。

努力には目的によって様々なものがあるだろう。

知識や技能を深める努力も、練習で流す汗もある。

しかし感動の大きさを決めるのは同じ努力の大きさだ。

 

感動の美酒に酔いたければ、高い目的を持つこと、

体いっぱいに受けとめられる繊細な感覚を磨くこと、

その実現に人の何倍もの汗を流すこと。

その努力の大きさが、感動の大きさを決める。

 

どれだけすばらしい感動をしたかでお前の価値も変わるのだ。

 

第9話 情熱の火は消すな

 

昔から追い求めてきた不老長寿。

しかしそれは今後も簡単には実現できそうにない。

しかし年をゆっくり取る事は出来る。

 

生まれた時はみな同じなのに。

熟年になると同じ年に生まれた人間と思えないほど見た目に差が生じる。

相変わらず昔の面影を持った人間と,恩師以上に老けた人が出てくる。

これは遺伝なのだろうか。

それは一面では正しいことかもしれない。

しかし老いは肉体年齢だけで進むのではない。

 

もうひとつの要因,精神の老いを忘れてはならない。

常に理想や目標を持っている人はいつまでも若く、

目的をなくしたり,なんとなく生きている人は老いも早い。

 

人は年を重ねることだけで老いるのではない

理想を失う時に老いが来る

情熱を失う時に精神がしぼむ

 

いつまでも情熱の火を燃やし続けて生きなさい

 

第8話 してはいけない失敗はするな

 

「失敗は成功の母」というが本当だろうか。

失敗にはやっていい失敗といけない失敗がある。

 

誰もやっていないことへのチャレンジ。

そこには様々な試行錯誤がある。

そこでの失敗は厳密には失敗とはいわない。

 

最初のしてはいけない失敗。

それは生命や身体などに危険のある失敗。

やる前に起きるかもしれない問題は予測し対策することだ。

がむしゃらな行動での事故は取り返しがつかない。

 

二つ目のしてはいけない失敗。

それは同じ失敗を繰り返すことだ。

失敗を繰り返す人間は、「またがんばろう」で済ますことが多い。

人によっては失敗を他責にすりかえることすらある。

それではまた失敗をする。

 

失敗には理由があるのだ。

どこが悪かったのか、

それはなぜ悪かったのか、

どこを直せば成功するのか。

そのためにはなにをどうするのか

すべて自責で考えなさい。

 

失敗の分析をしないで同じことをすればまた失敗を繰り返す。

スポーツも同じ練習をただ繰り返していては決して強くはなれない。

 

失敗を悩むよりどうすれば失敗を生かせるか考えることだ。

失敗は生かして,始めて「成功の母」になる。

 

強くなる人間は同じ失敗はしないのだ。

 

第7話 相手の目線で考えろ

 

説明したのにちっとも解っていない,

だからあいつはだめだという人がいる。

そう言う人が本当に正しいのだろうか

 

人への頼み事や,物言を教える時,

自分の立場だけで考えてはいないか。

 

たとえば小さな子供の目の高さにして歩いてごらん。

世の中の見え方が変わるのが解る。

反対に背の高い人の位置から見ても違う世界がある。

10人いれば10人違う見え方がある。

考え方や理解が違うのは当然だろう。

 

相手によって話し方や教え方は変えなければいけない。

相手が今どんな気持ちで聞いているか

相手の気持ちで考え,解ったか確かめてみることだ。

 

教えたことが出来ない時は教えた側に責任がある。

言った,言わないの争いは言った側に責任があるのだ。

 

相手が理解できなければ教えたことや話したことは何の意味も無くなる。

常に相手の目線で考えることが大切なのだ。

 

第6話 悪い人間が悪い事をすると思うな

 

おまえは悪いことは嫌いだろう。

もちろんお父さんも大嫌いだ。

だから,悪い事は悪い人間がするものと思っていないか。

 

残念なことに,人間はおまえが考えているよりずっと弱いものだ。

たとえばおまえが飢えて死ぬかもしれない時,

そこにある農家の野菜を盗まない自信があるか。

タバコやごみを平気で捨てるなど,何気なく悪いことはしていないか。

戦地にいった兵隊が国外で犯した罪を

一生涯悔やんでいた人もいる。

一歩間違えればだれでもその仲間に入る。

 

逆に暴力団が阪神震災で活躍した話も有名だ。

何もしないでテレビを見ていた人間がほんとに良い人間なのか。

 

人は追い詰められた時,本当の自分が出る。

正義を通すことは勇気と強い信念がいるのだ。

 

どんな時も後悔しない正しい生き方をするために,

,自分の精神を強く鍛えておくことが大切なのだ。

 

第5話 朝は笑顔で迎えろ

 

新年も朝も気持ちよく迎えたい。

笑顔からは希望が生まれ,怒りからは不満が生まれる。

 

家族への文句も朝は言うな。

言われた相手は一日ろくな仕事が出来ない。

どういえばわかってもらえるか。

一呼吸おいて、相手を受け入れるゆとりを持つことだ。

 

怒っているときは相手の言葉は聞こえない、

頭には何も入らない。

笑っていたほうが勉強も出来るぞ。

怒りで人の心は動かせない。

必要なことは怒りの感情を相手に伝えることではない。

相手に対する素直な気持ちを伝えることだ。

人は熱意でのみ動かせる。

 

いま、鏡に映っているおまえは、笑顔でいるか。

 

第4話 見ても見えないもの,聞いても聞こえないものに気づけ

 

人間にはすばらしい能力がある。

大形のコンピュータにも負けない。

人が見る世界は最新の映像機器よりすばらしい。

 

ところが、人は見ていても、見えているとは限らない。

聞いていても、聞こえているとは限らない。

何かに夢中になれば、ほかのものは見えない、

なにも聞こえなくなることは経験あるだろう。

人は自分に必要な情報だけを間引いているのだ。

 

たとえば、今朝の新聞の一面広告は覚えていないだろう。

企業がどんなにお金を使っても興味のない人にはとっては関係ない広告。

ところが、失業した人にとって、

新聞の片隅の小さな求人広告は光り輝く情報なのだ。

興味を持たなければ、人の言ったことはすぐ忘れる、

身の回りのきれいな花も、美しい鳥の声にも気づかず通り過ぎる。

どんなすばらしいものも興味がなければ見えないし、聞こえないのだ。

 

その気づかないものの中にも大切なものがある。

それは、おまえの人生を変えるほど重要なものかもしれない。

 

心の扉を開いて、目の前にあるすばらしいものに気づきなさい。

 

3話 3年後の自分を描け

 

人はつらいことより楽なことを選ぶ。

でも常に楽なことを選び,時に流されていたらどうなるだろう。

若い時ならそれも経験というかもしれない。

しかし無駄な回り道をしたことに気づくのは年をとってからだ。

その時に,ようやく取り戻せない,失った時間を後悔する。

 

そんな後悔をしない方法がある。

それは未来のなりたい自分を思い描くことだ。

人は子供のころの夢を忘れるとともに,なりたい自分も忘れていく。

遠い未来がわからなければ,まず3年後の自分を描いてみることだ。

何をしたいのか,何になりたいのか,それが自分の3年後の目的(ゴール)なのだ。

わからなければ納得するまで考えればいい。

3年後がゴールだ。

その目的のために2年目までに達成させる目標を立てなさい。

次に最初の1年目に達成させる目標を立てなさい。

 

その目的・目標に対して今の自分の行動は合っているのか?

,自分はその目標のために行動しているか?

目標は常に意識しなければ達成できない。

目的が明確なら多少の苦労は気にならないものだ。

無駄な回り道も少なくなるだろう。

こんな不確実な時代だからこそ自分の目的(=意志)が必要なのだ。

勝利の女神は目的をもった人にだけチャンスをくれる。

 

人はなりたいと思っている自分にしかなれないのだ。

 

第2話 値切ってはいけないものもある

 

ものを安く買うととても得をした気になる。

予算がうけば経済的にも助かるしね。

値切るのがすごくうまい人もいるな。

値切られることを見越して値札が高く付けられていることもある。

だからといって何でも値切っていいわけではないんだ。

 

小さな店でほんの少しの利益でささやかな暮らしをしている店。

その小さな利益が子供の教育費用になっているかもしれない。

農薬を使わないために何十倍もの汗を流している農家もある。

安全な製品を作るために利益を削ってがんばっている会社もある。

そんな製品を値切って買うということはどういうことだろう。

 

物を買うということはその店や会社を育てることでもある。

大きく言えばおまえが良い製品を選んで買うことが良い社会を作ることにもなる。

 

難しいがその判断力をつけることも大切なのだ。

 

第1話 他人と比較するな

 

人間は競争するから進歩する。

学校の成績だって比較するから順番がわかる。

他人より良い学校に行くために努力する。

他人より金持ちになるために働く。

他人に自慢できるブランド品を身につける。

 

でも,いつも一番になるとは限らない。

負けたときの悔しさ,惨めさの経験はあるね。

そんな他人との比較だけ続ければ最後に残るのは人生の借金だけ。

 

おまえのいいところはいっぱいある。

それを精一杯伸ばすことだけを考えればいい。

他人の目を気にしないで自分にしか出来ないことをやりなさい。

 

自分らしい美しい人生を生きることだ。