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エコロジー米プロジェクト
(布マルチ農法)



エコロジー米 成長記録 ブログ 販売 丸三産業
概要・解説 定点撮影画像 米つくりの詳細 布マルチ米
『綿幸媛』販売
布マルチ製造元



エコロジー米 布マルチ農法による資源循環型の米つくりの概要
成長記録 稲の生育の様子を定点撮影した画像、栽培データ
丸三産業 津野教授と共同で布マルチを開発した会社
ブログ エコロジー米プロジェクトの詳細報告











エコロジー米プロジェクトの概要


●農薬などの化学物質を使わない ・有機肥料
・完全無農薬
・天然乾燥

●資源循環型の古くて新しい農業体系 ・BDF(バイオディーゼル燃料)
・廃棄物で有機質肥料
・中古機械の活用
●水稲布マルチ直播栽培 ・布マルチとは
・お布団農法
・布マルチ米『綿幸媛』
・『綿幸媛』の限定販売
農薬などの化学物質を使わない
 ・有機肥料
布マルチ
布マルチは成分の99%が稲わらと同じセルロース
敷設後60日で土に分解されて肥料成分になる
醗酵鶏糞
市内の養鶏場で廃出された鶏糞を完熟醗酵

油粕
菜種油を搾取した絞り粕
完熟堆肥
木工のおが屑を主原料に、家庭のし尿と草取りをした雑草を混ぜて完熟発酵
 ・完全無農薬
除草剤不使用
布マルチ農法の特徴は、除草剤が一切不要
敷設初期は水に浮かべて、雑草が成長したところで上から被せて枯らしてしまう
緑肥と米ぬかの醗酵過程で出る有機酸による抑草効果
無農薬
農薬を使わない有機稲作で最も大切なのは、水稲群落の繁茂度を抑制して群落内部まで日当たりと風通しをよくすることにあります。
 ・天然乾燥
天日乾燥
太陽の熱と風のエネルギーで乾燥
ハザ掛けの切り替えしを行って、乾燥ムラなし
完全乾燥
含水率計でしっかり水分管理。14〜15%と人工乾燥に引けをとらない完全乾燥。
資源循環型の古くて新しい農業体系
 ・BDF(バイオディーゼル燃料)    【菜種栽培→食用油→廃棄食用油を生成→BDF】
トラクターの燃料に廃棄食用油を原料として生成されたディーゼル燃料を使用
軽油に比べて硫黄酸化物、黒煙が減少し、排気ガスの有害物質を削減
食用油の廃棄物を減量して、処分のために使われるエネルギーの削減
植物由来のエネルギー源を使用することで二酸化炭素発生量の増大を抑制
 ・廃棄物で有機質肥料
油 粕
BDFの原料となる食用油を絞った油粕は肥料成分を多く含む良質肥料
醗酵鶏糞
養鶏場から排出される糞は完熟させて有機肥料の代表格
米 ぬ か
収穫した米を精米したクズが米ぬか緑肥を分解する大事な肥料
おが屑堆肥
木工の廃棄物のおが屑を堆肥化
し尿と草取りの雑草を加え完熟醗酵
【菜種栽培→食用油+油粕】 【ニワトリ→玉子+糞】 【玄米→白米+米ぬか】 【おが屑+し尿+雑草→堆肥】
 古い機械・道具を再利用
中古機械
中古の機械をしっかり整備して大事に使う
機械の再生
故障した機械を修理して再生させる
古道具の活用
鍬などの手道具は、古いものを手直しして使い続ける
水稲布マルチ直播栽培
 ・布マルチとは
布マルチの原料は、コットン製品を生産する時に発生する綿クズです
輸入原綿を精製する過程で出る繊維の短い「落ち綿」なのですが、焼却処分されていました
この綿を資源として再利用できないか、検討されているところに宮崎市在住の農学博士、津野幸人氏と出会いました
「紙マルチ水稲栽培法」を応用した布マルチのアイデアを元に開発された技術です
 ・お布団農法
布マルチ、別名お布団農法は、一般移植栽培で必要な、田植機、育苗資材、除草剤が不要
労力でも、育苗、田植え、除草剤散布の手間がかからない
詳しくは⇒お布団農法の解説
 ・布マルチ米『綿幸媛』
完全無農薬・有機栽培により、美味しくて安全な米ができます
良質な有機肥料を使っていながら、収量を抑えることで特筆すべき食味となります
自然素材や自然エネルギーを効果的に使い、食べることで地球環境に貢献します
 ・布マルチ米『綿幸媛』の限定販売
収穫量が少ないために、限定予約販売です
工房楽木のお客様が優先します
自然素材や自然エネルギーを効果的に使い、食べることで地球環境に貢献します
お断り
収穫量は天候によって変化しますので、ご予約の順番が後ろのお客様は商品が不足する場合があります

 販売予定価格(送料は実費加算)
工房楽木の製品をお買上げのお客様 一般のお客様
 2kg:1,500円 、 5kg:3,500円  2kg:1,600円 、 5kg:3,750円

すべて完売しました。



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2007年 布マルチ水稲栽培の記録画像
5日 10日 15日 20日 25日 30日
35日 40日 45日 50日 55日 60日
65日 70日 75日 80日 85日 90日
95日 100日 105日 110日 115日 120日
125日 130日 135日 140日 145日 150日
155日 160日 165日


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2006年 布マルチ水稲栽培の記録画像
敷設日 5日 15日 20日 25日 30日
35日 40日 45日 50日 55日 60日
65日 70日 75日 80日 85日 90日
95日 100日 105日 110日 115日 120日
125日 130日 135日 140日 145日 150日


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布マルチ水稲栽培のデータ
2006年 2007年
期日 日数 積算気温 日射量 期日 日数 積算気温 日射量 備考
MJ MJ
布マルチ敷設 5月3日 --- --- --- 4月27日 --- --- ---
発芽(一番芽) 5月10日 7 115 148 5月5日 8 103 151
発芽(全域)※1 5月14日 11 172 199 5月8日 11 150 206
落水※2 5月25日 22 347 385 5月21日 24 338 473
根活着 6月6日 34 561 629 6月4日 38 571 793
中干し※3 7月10日 68 1,251 1,177 7月1日 65 1,105 1,301 2007年は追肥
中干完了※4 7月23日 81 1,543 1,319 7月9日 73 1,280 1,433
一番穂 8月11日 100 2,013 1,710 8月8日 103 1,954 1,922 マキタ超コシヒカリ
--- --- --- --- 8月16日 111 2,162 2,124 コシヒカリ
出穂(40-50%) 8月16日 105 2,138 1,819 8月21日 116 2,294 2,244 マキタ超コシヒカリ
--- --- --- --- 8月22日 117 2,319 2,263 コシヒカリ
穂揃い(90%) 8月21日 110 2,269 1,928 8月25日 120 2,388 2,317
灌がい停止 9月10日 130 2,733 2,279 9月7日 133 2,687 2,501 2007年は台風の影響
刈り取り 10月1日 151 3,125 2,573 10月6日 162 3,287 2,916 マキタ超コシヒカリ
--- --- --- --- 10月7日 163 3,302 2,932 コシヒカリ
※1:2007年は配水システムで水温を均一化した成果で早期に
※2:第3葉が30%程度となった時期
※3:茎数が400本/uとなった時期
※4:2006年は長雨続き(6日間)で中干し期間が長期になった。通常は一週間。




収穫実績分析



2007年度収量
●籾の総重量 678kg

●籾摺り後の重量 542kg(一反分あたり9俵)
マキタ超コシヒカリ 275kg(籾/玄米重量比=79.8%)
在来品種コシヒカリ 267kg(マキタ超コシヒカリ同等で換算)

2006年度に比べて籾の重量は若干減少したが、籾摺りに自家用機を使ったために効率が向上したことで玄米収量は同等となりました。

収穫時期が適期となったことで未熟米は非常に少なくなり、選別は行っていません。

病虫害もほとんどありません。
2006年度収量
●籾の総重量 697kg

●選別前の玄米の総量 549kg(一反分あたり9俵)

●選別後の上米 507kg 下米の重量 42kg

●選別に使われたフルイのメッシュ 1.85

ただし、697kgのうちの330kgを籾摺り・選米した結果からの推計値です。

選別は試しに実施しましたが、自家用米なので上下米の区別なく食しています。

下米の発生は刈り取り時期が2日ほど早かったための未熟米ですが、登熟が完璧に判断できていればさらに下げられたと思います。

病虫害による下米は非常に少ない量でした。
ニカメイガによる白穂の発生で250gの減収になった程度です。




肥料計画と実績


2008年度
目的 施用日 種類 施用量 チッソ換算 備考
わら分解※1 昨年11月5日 米糠 27kg 0.9kg N3.2%
堆肥 3月7日 自家製 670kg 3.7kg N乾物換算0.92%
乾湿重量比0.6
基肥 4月2日 鶏糞 410kg 6.3kg N2.2%
乾湿重量比0.7
合計 10.9kg
※1:わら全量施用の分解促進用。
窒素(N)乾物換算値は、実際の肥料における農業試験場検査値
乾湿重量比は、実際の肥料を乾燥重量が平衡状態になるまで自然乾燥させた実測値


2007年度
目的 施用日 種類 施用量 チッソ換算 備考
わら分解※1 昨年11月14日 鶏糞 60kg 0.9kg
基肥 3月26日 鶏糞 391kg 6.0kg 土壌C/N比=10.6
補肥※2 4月28日 鶏糞 103kg 1.6kg 大ヒビ対応
土壌改良 4月28日 木炭 30kg --- 布マルチ着色兼用
追肥 6月20日 鶏糞 50kg 0.8kg
追肥 7月6日 鶏糞 40kg 0.6kg
穂肥※3 8月3日 鶏糞 15kg 0.6kg N:3.8%
合計 10.5kg
※1:わら全量施用の分解促進用。
※2:布マルチ分解促進用も兼ねて表面に施肥。
※3:穂肥は北側半分の5aのみに施肥。


2006年度
目的 施用日 種類 施用量 チッソ換算 備考
基肥 4月1日 鶏糞 360kg 5.5kg
堆肥 4月4日 自家製 240kg 1.3kg
補肥※1 4月22日 油粕 30kg 1.6kg 大ヒビ対応
補肥※1 5月2日 油粕 40kg 2.1kg 大ヒビ対応
合計 10.5kg
※1:代掻き後の大ヒビで、窒素が揮発する量を補う。


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水田の土壌診断

 
2006年の実績「9俵」を2007年も実現するために、水田の土壌診断を実施しました。
布マルチの栽培指針で最も重視されているC/N比ですが、信州大学からの紹介で農業試験場に分析を依頼しました。

結果は、
C=3.09%
N=0.29%
C/N比=10.66

綿幸媛通信No.21、23によれば、優良農地の土壌分析は、次の通り。

土性判定1.土性:作土層は埴壌土(粘土が多く粘り気があって、肥持ちが良い)。心土層は水が浸透しやすい壌土または砂壌土。

 →我が水田は、綿幸媛通信No.3の「こねてころがす試験」の結果、ローム(壌土)との判定。

減水深2.潅がい水の減り具合が一日あたり20〜30ミリで、畑状態では土がよく乾く。

 →減水深が2〜3cm/日でしたし、転作している時も土は乾燥した状態でした。


3.チッソ含有率:0.2〜0.4%

 →N=0.3%だからちょうど良い。


4.炭素含有率:2〜4%。土の色は黒い。

 →C=3%だからちょうど良い。色は黒と言うよりもちょっと黒茶。

5.堆厩肥は反当り1.2〜1.8トン

 →昨年実績だと、自家製堆肥(おが屑主成分)を240kg
  今年度は稲ワラ全量と布マルチ150kg(主成分セルロース)


さらに、目標とされるC/N比は10ですので、我が水田のC/N比は申し分ありません。

以上の結果、ほぼ優良農地の土壌に匹敵する土性でありました。