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古式製材「木挽き」の実演 職人志向
納期のこと
使う木
木心を知る
使う人の健康を考えた接着剤
食器棚などの箱物のつくり
テーブルのつくり
いすのつくり
学習机のつくり
安心して暮らせる居住環境
地球環境とウッドマイレージ
自然健康塗料について
国産材商品として認定










■ 仕事ぶり

 職人
「住まいの設備」としての、実用的な家具を手がけています。
職人気質とでも言うのでしょうか、あまりに自己主張しないデザインを心がけています。
使う方が望む機能とデザインに応じて作ります。
作り手の思いを押し付けてしまう作家志向の作品とは異なります。

 使う木
工房楽木で使う木は、基本的にすべてが、信州の山から伐り出された国産材です。
基本的にと断りを入れたのは、リフォーム家具や古材では輸入材が使われているからです。
ウッドマイレージという言葉が浸透してきました。
木材が切られてから商品になるまでに移動してきた距離を表します。
外国から輸入された木は遥か彼方から運ばれてくるので、運搬にエネルギーを大量に使います。
国内の木や地域で切られた木を使えば、ウッドマイレージが小さくなり、環境にやさしい。
原木市場から丸太を「入札」して仕入れているので、木材屋から製品材を買うことはありません。
木材屋には、売りやすい木、作りやすい木は売っていますが、家具に適した木がそろっているとは限りません。

 木心を知る
材料として出来上がっていく過程で家具つくりに必要な木の特性を肌で感じます。
狂い、割れ、色の変化を自然の現象として受け止めて気長に観察します。
材木屋から人口乾燥の木を買っていては得られない、木の本質を知る貴重な体験です。

 納期
無垢材を使う家具は、製作にかなりの時間を必要とします。
理由は、手間がかかるだけではなくて、素材の特性に合わせて作るからです。
木材は、内部に複雑な応力(細胞が結合している力)が作用しています。
加工するたびに内部応力のバランスが変化します。
すると、再びバランスが保たれた状態になるまでに数日から数週間が必要になります。
安定した状態になったところで、再び加工に取りかかります。
完成までに、この工程を何度も繰り返します。
これを総合的に判断すると最低でも3ヶ月くらいを見込んで製作したものの方が、後々の狂いが少なくなります。
乾燥の度合いとか、人口乾燥と天然乾燥の違いとかとは別次元の話しです。
そんなわけで、十分に余裕を持ってお待ちいただけるとありがたいです。
使う素材によって放置する期間が違いますので、予定した時期からずれ込むのもお許しください。
より良い家具をお客様に提供するためには必要なことなので、ご理解いただいてご注文いただければ幸いです。
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■ 家具の構造
家具の作り方は、簡単な加工から複雑で手の込んだものまで多種多様です。
そこで、加工のレベル(巧み度)に応じた家具の基本的な構造を紹介します。
※下線の文字はクリックで関連画像を表示します。
 箱物のつくり
 脇机を例に説明します。(巧み度=1)
接合 接合はビスケットジョイントと呼ばれる「雇いざね」と木ネジを併用します。
木ネジの頭は周囲の木材と同じ板から切り出した埋め木で隠します。
裏板 裏板もすべて無垢の木です。
通常の使い方で見えるときは塗装します。
内部 引き出しは、木ネジで固定された桟(さん)の上を滑ります。
引き出し 前板を箱組みに取り付けた被せの形です。
ビスケットジョイントで接合するが、分解修理時を考慮してネジ頭は埋め木してありません。
節と虫穴 実用に支障のない節穴虫穴はそのまま、深い節穴大きな虫穴は木屎(こくそ)で均します。
逆目 機械カンナとサンダーで仕上げるので逆目が残ることがあります。


 テーブルのつくり
 ダイニングテーブルを例に説明します。
巧み度=1 巧み度=2
脚構造 ビスケットジョイントが基本です。
ダブルで使うことで、一般的なホゾ組構造をしのぐ強度を発揮します。
ホゾ組が基本です。
強度が求められる箇所は割りくさびホゾです。
の取り付けはクサビを差し込みます。
天板取付 鉄製コマまたは木製コマを使います。
天板の伸縮に追随して木ネジまたはコマが溝を移動します。
天板の裏に「あり溝」を切り込んで吸い付き桟を取り付けます。
伸縮を逃がすので天板が割れません。
デザイン 直線を基調とした2本脚または4本脚です。 曲線や角度を取り入れた2本足、または4本脚です。


■ 椅子のつくり
 ダイニングチェアーを例に説明します。(巧み度=2)
接合 接合はすべてホゾ組、強度が求められる箇所は割りくさびホゾです。
木取り 後ろ足の曲線は、できるだけ木目が切れないように心がけています。
木を曲げるのではなく、曲がっている木の特性を生かします。
座面取付 何枚かの板を組み合わせる場合は直接木ネジで取り付けます。
1枚物は伸縮を吸収するために鉄製コマまたは木製コマで取り付けます。



■ 学習机のつくり
 高い耐久性の割りクサビを用いた巧み度=2と、価格と強度をバランスさせた巧み度=1の違いを説明します。
巧み度=1 ビスケットジョイント
画像はクリックで拡大
 ビスケットの形をした雇いザネで接合部を補強する構造です。
 ビスケットジョイントと呼ばれるもので、専用の加工機ですばやく加工できます。
 二列や、二段に並べることで、一般的なホゾ組構造をしのぐ強度を発揮します。
雇いザネに使うビスケットと穴加工 接合部材の双方に穴加工 水性接着剤を塗布して接合 接着剤の水分でビスケットが膨張して密着 強度テストでは、部材が破断してもビスケットは壊れません。
巧み度=2 割りくさびホゾ
画像はクリックで拡大
 強度が求められる接合部に用います。
 ホゾ穴を通し穴にしてホゾを貫通させ、楔(くさび)を打ち込んで抜けなくする構造です。
 加工には技術を必要としますが、昔の学校で使われた机や椅子は、この構造で作られました。
ホゾ穴は貫通させ
ホゾには切れ目
ホゾ穴は入り口が狭く出口が広い 楔を打ち込むと広がるから抜けない 出っ張りを切り取って仕上がり 昔の学校の机や椅子は、この構造で頑丈に作られていました。
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■ 自然健康塗料

太田油脂 匠の塗油 リボス アルドボス オスモカラー
太田油脂 匠の塗油
リボス アルドボス
オスモ オスモカラー

日本製およびドイツ製の自然健康塗料のみを使用しています。
主に3種類の塗料を木材の特性とお客様の要望に応じて使い分けています。
 匠の塗油 (日本製) 詳しくは>>太田油脂
太田油脂の「匠の塗油」はエゴマから作られた純植物性。
オイルフィニッシュ用の塗料としては最も安全性が高いと考えられています。
 アルドボス (ドイツ製) 詳しくは>>リボス社製品
リボス社の製品はシックハウス対策された住宅で標準的に使用する例が多い。
一般に流通している塗料としては極めて安全性が高い。
 オスモカラー (ドイツ製) 詳しくは>>オスモ社製品
オスモ社の自然塗料は世界中で広く使われています。
一般の合成塗料のF☆☆☆☆よりも安全性が高いと言われています。 
 オイル仕上げについて
オイル仕上げは、木の自然な色合いや、木肌の質感を生かせる最良の塗装方法の一つです。
ウレタン塗装は強い塗膜を作りますが、次第に劣化してひび割れしたり白濁してしまいます。
オイル仕上げは、オイルを木地に染み込ませているので、劣化することはありません。
補修は、ウレタン塗装では一旦塗装をすべてはがしてから塗り直しをしなければなりませんが、
オイルはサンドペーパーで軽く研磨して、再度オイルを塗り込むだけなので、お客様でも簡単です。
こうして、いつまでも質感が保たれますし、キズや汚れがまた風合いを醸し出します。
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■ 安全な接着剤

ご飯のり  木工ボンド にかわ


接着剤は自然素材をはじめとして健康住宅対応品に限って使用しています。
主に3種類の接着剤を木材の特性とお客様の要望に応じて使い分けています。
 木工ボンド [酢酸ビニル樹脂エマルジョン木材接着剤]
酢酸ビニル樹脂エマルジョン木材接着剤 JIS A5538
JIS F★★★★認定品
JAIA 4VOC基準適合
厚生労働省指針値策定の13物質を使用していない。
当サイトの表示価格は、木工ボンドで製作した場合のものです。
 押しのり [ご飯のり、続飯(そく い)]
白米を炊いたご飯を練って作る昔ながらの糊。
安全性が高く、接着力は木工ボンドに匹敵する。
化学物質過敏症、シックハウスなどでお困りのお客様とご相談の上で使用します。
 (にかわ)
にかわは動物の皮や骨等を原料とし、これを水と共に加熱して製造した有機たんぱく質で、科学的には原料中に含まれるコラーゲンをその母体としています。
取り扱いが難しく、低温では使えないために特別の指定を受けた場合に使用します。
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■ 安心の国産材

使う人の健康を第一に考えて、農薬処理された輸入木材や接着剤で固められたMDFは使いません。
学習机は小さなお子さまが使うものなので、原材料には特に気を使います。
 紙の机と木の机の違い
当たり前のことですが、工房楽木の家具は木材で作られています。
ところが、テレビCMで宣伝されているニトリや東京インテリアの安い学習机は、ほとんどの材質が木目を印刷した紙(MDF素材)です。
価格の差以上に、品質の違いが大きい商品です。
 国産材100%
机工房楽木の家具は、すべて国産材100%、信州の森林で育った木で作られます。
原木の丸太は森林組合の市場から直接仕入れます。
伐り出した山、伐採した人、出材した会社がすべて明確です。
 天然乾燥
地元の製材所で板や角材に製材して、トラックで自社に運び、天然乾燥させます。
何年も積み上げた状態で木材内部の細胞間のバランスが平衡になるのを待つので、自然な状態で仕上がります。
人口乾燥された木材は、サウナで水分を絞り切ったボクサーのように木が本来持つ良さが抜けてしまいます。
 使われる木の一例(学習机)

天板は温度湿度の変化で伸び縮みします。
その動きを受け止める専用のコマを使います。
天板を留めるコマ
硬くて天板に適したクヌギやコナラ。
昔から学校の机に使われてきました。
クヌギ
天板はコナラやクヌギなどの堅くて傷がつきにくいドングリ、耐久性のあるアカシアなどを使います。

脚はさまざまな里山の木を特性を活かして組み合わせて使います。
コナラ
エノキ
脚にはエノキやクルミ、サクラなど
特性に合わせてさまざまな木を使います。
組み手
永く使う学習机はしっかりとしたつくり。
木材の性質を生かした構造です。
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■ 国産材認証

 NPO国産材より国産材製品として認定
『貴殿の取扱木材製品は特定非営利活動法人国産材の定める国産材認定基準に達しておりますので「日本の森林を育てる国産材製品」として認定し、国産材マークの使用を許可します。』
NPO国産材のHPは、こちらへ>>
認定書>>
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■ 国産材・地域材を使う理由

住宅や家具を作るときに使われる素材は、コンクリート・鉄・合成樹脂・木などと選択の幅は広い。
これらの数ある素材の中で、木とそれ以外のものの違いは何でしょうか?
はっきりしているのは、木は自然に再生可能で、日本ならどこにでも身近にあるということです。
また、木以外の素材は化石エネルギーの助けがなければ生産も運搬も出来ません。
木は成長した期間よりも長く使うことで持続可能な使い方ができます。

ところで、日本で使われている木は、この長所を生かしているでしょうか。
輸入された木材は、移動するために多量のエネルギーを消費しています。
耐用年数の短い住宅や外国材ばかり使われている住宅が大変に多い。
どうやら、現在の木の使われ方は長所を生かしていないようです。

すこし視点を変えて考えてみましょう。
百年後、化石燃料が枯渇した時、木以外の素材で住宅を作ることの困難さを。
いや、木で作るのもたいへんです。運搬できない外国材は使えないのだから。

国内の木だって、誰が木を切ってくれるのだろう、どうやって山から出すのでしょう。
何とかなると思っていては大変なことになります。
需要が減ったら就労者はいなくなるのが当たり前です。
もちろん技術も失われる。
そうなることがもう目前に迫っています。

現在でも森林環境は深刻な状態におかれています。
だからこそ、地元の木を使いましょう。
身近な地域材を使って、身近な木こりを、製材所を、木工所をみんなで生かし続けましょう。
それは、近い将来、かならず自分や子孫のためになるのだから。
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