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四方山話 | 住宅解体 |
第一話 お寺薪 (おてらまき) | 第五話 黄砂と風力発電 |
第二話 ケヤキの薪 | 第六話 木の校舎 |
第三話 吸っている空気 | 第七話 ホルムアルデヒドと発ガン性 |
第四話 草ニゴと里山 | |
第一話 お寺薪 (おてらまき) | |
お寺薪とはクリの薪のことです。 そう遠くない昔の話。 檀家がお寺に寄進する薪は、自家用では使いにくい「燃えにくい薪=クリ」を持っていきました。寺では薪の特性など知りませんから、ありがたく頂戴していたそうです。 檀家の人々は、そんな和尚を、影で笑っていたそうです。 では、なぜ「クリの薪」は使いにくい(燃えにくい)のでしょうか? 答えの前に、すこし余談を、 クリの火でなければ、できない作業があります。 刀を鍛えるときに使う「火」です。刀鍛冶は、クリの炭を使います。 クリの炭は、ふいごで風を送った分だけ火力が増します。反対にふいごを止めると火力は衰えます。 クリの炭は、大変に調整しやすいのだそうです。 刀鍛冶が、クリの炭を使う理由と、クリの薪が使いにくい理由の関係は分かりましたか。 クリは薪の状態でも燃焼には、たっぷりの空気と、周囲の高温が必要です。 クリは孤独で、クールなので、燃え上がるためには、多くの仲間と周りの熱気が不可欠です。 薪ストーブを使っている方、燃えにくい木だなと思ったら、その木はクリかもしれません。 |
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第二話 ケヤキの薪 | |
高級な木材というイメージのあるケヤキ(実際に高価)ですが、焚き物にするには注意が要ります。 |
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第三話 吸っている空気 | |
6月14日付の読売新聞によると 「立っている人間の周辺には、体の熱による上昇気流が発生しており、頭の上では毎秒二十aとなかなか早い。図は東大生産技術研究所がその流れをコンピューター解析した結果で、人が吸う空気の約70%は、足元から昇ってきたものであることが判明した。 シックハウスの原因となる化学物質は床材やカーペットなど足元に多いから、壁材や壁紙など、顔の高さの建材を変えただけでは対策にならないことになる。」, という記事が掲載されていた。 さらに、 「気流は局所的で体の前方、表面近くの空気ほど吸いやすい。『自分のおならは臭くない』というのも、これで納得がいく。」、と締めくくられていた。 食事をしているときやリビングでくつろいでいる時、足元から昇ってきた気流は、テーブルや椅子の裏面に当たって、そこに使われている建材が発する物質を取り込んで口元に昇ってくる。 市販の家具は表の見栄えが大事。裏面は見えないから合板を使用しているものがほとんどです。健康のことを考えたら、裏面にも気配りしてあるものを選びましょう。 |
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第四話 草ニゴと里山 | |
「木」に関心がある方なら、里山が荒廃している現状をご存知でしょう。では、里山が荒廃した原因は何だったのでしょうか。里山を利用しなくなったからだといわれますが、実は、直接の原因になったものがあります。ほとんどの農家が所有している「トラクター」が里山を崩壊に導いたのです。勘の良い方はピン!ときたでしょうが、「トラクター」と里山の関係についてお話しましょう。 先日、「木挽き」の親方から依頼されて、仕事で草刈に行き、刈り取った草を集めているときに、近所のお爺さんが通りかかり声をかけてきました。そのお爺さんが言うには、 「一昔前までは刈り取った草は貴重品だった」。 「昔は、十月十日になるまでは草を刈り取らずに伸ばして、伸びきったところでいっせいに刈り取った。」 「刈り取った草は『草ニゴ』にして冬の間の牛の餌にしたもんだ。」・・・・?「草ニゴって何ですか」 「草ニゴってのは、こうやって草を束ねて立てたものを積み重ねて置いたもんだ。」 と、刈り取った草を手にしたかと思うと、鮮やかな手さばきで縛って草の束を作って見せてくれた。 「今は牛も居らんで、草にごも要らなくなった。」 「このあたりの山は、今のようにこんなに木が生えとらんで、ワラビが取れるほどの草っ原だった。」 要するに、この地の里山は「木」はポツンポツンとしか生えていなかった。 さらに、下草は家畜、特に「牛」の餌として欠かせないものだったのだそうです。その時ポツリと、 「草を刈らんようになったのは、トラクターを使うようになってからだ。」 「そんでもって、昭和四十五年から減反が始まって使わん田んぼが増えて、 草も要らんようになって「草ニゴ」も作らんようになった。」 「それからよ、山に木が生え初めたのは。」 「草ニゴ」と「トラクター」の関係、わかりましたか? 農耕の動力が、「牛」から「トラクター」に変わったがために草を刈り取らなくなり、その結果、里山が「木」であふれ今日の荒廃を招く原因となったのです。 里山の保全が全国各地で叫ばれていますが、里山を取り巻く農耕社会が崩壊している現在では、そのあるべき姿を追い求めるのは大変なことなのです。 |
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第五話 黄砂と風力発電 | |
中国から日本に飛来する砂塵「黄砂」が、今年四月には米国に飛来しロッキー山脈のふもとの丘陵地帯は砂塵でかすんだようだ。米国では黄砂のことを「ダストストーム」というが、このカナダからアリゾナにいたる一帯を覆った砂塵の層は、典型的な報道によれば過去三年間の中国の干ばつが原因だという。だが干ばつは、急速に悪化しつつある中国の「砂漠化」に脚光を浴びせたに過ぎない。 十三億人の人口を食べさせるのに必要な食料の生産のために、中国北西部では過剰な耕地と牧畜を抱えている上に、開墾が急速に進み『風』による侵食に拍車がかかったのです。中国では牛肉の人気が高まり一億三千万頭の牛が飼われており、これに二億八千万匹のヤギと羊が加わり、牧草地の急速な劣化と砂漠化が起き、砂丘が形成されている。 さらに、地下水の過剰なくみ上げによる枯渇と降雨量の減少によって、中国北部は文字通り干上がりかけ、すでに過去三十年間で数千の湖沼が消滅した。東部や南部で進む森林伐採が、海洋から運ばれる湿気の減少を招いていると指摘されている。森林によって保たれていた降雨サイクルが破壊されたことにより、「雨」が内陸部をす素通りしてしまうのだ。 砂漠化の抑制と降雨サイクルを助けるために、侵食されやすい耕地を草地や森林に転換し、家畜の数を減らし、耕地が風にさらされているところでは防風林を張り巡らす必要がある。しかし、エネルギー源としての樹木の需要を抑えないと森林の再生は難しい。 そこで、風力タービンを使った風力発電が効果をあらわす。防風林として耕地の侵食を防ぎ、電気エネルギーの供給により樹木の伐採を抑制する。経済効果も魅力的だ。貧しい農村部が、現在のような永続不可能な牧畜や農耕をやめるきっかけとなる。 「木」をどう生かすかで、巨大国家の存亡までも左右する。「木」は地上の生命にとって極めて大きな存在であるということの証明だろう。 ※一部にH13年7月2日付読売新聞を引用 |
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第六話 木の校舎 | |
木造の校舎が見直されてきている。 平成13年度に建てられた木の学校施設は全国で133校に登り、5年前の58校から倍増した。 木造校舎の効能は顕著に現れているようで、木造校舎小学校の校長は、 「木の床は脚にやさしく、倒れた時はクッションにもなる。おかげで大きなけががなくなりました」と述べている。 埼玉県内の小学校では内装を木造に変更したところ、インフルエンザにかかった児童が15人と、二年前の115人から激減している。 学童へのアンケートでも、「教室内の冬の寒さが弱くなった」「安心して寝転がって遊べる」「せきが出なくなった」などの声が寄せられている。 また、驚いたことに不登校の子どもが、一人もいなくなった!ということだ。 この現象を裏付けるデータがある。 日本住宅・木材技術センターの1994年の調査報告書によると、千人あたりの不登校児の割合は、コンクリート校舎が2.9人、木造校舎は1.6人。 インフルエンザによる学級閉鎖率もコンクリートの5.8%に対し、木造は2.7%と、大きな開きがあった。 さらに、児童のみならず教師に与える影響も大きく、めまいや肩こりなどの疲労感を訴える教師は、コンクリートが22%に対し、木造は14%にとどまっている。 木造校舎の設計を多く手がけている安藤邦弘・筑波大学教授(建築学)によると、 「木の再評価は15年程前から始まっており、ストレスの多い時代に安らぎや癒しの効果が注目されていることが背景にある。また、コンクリートの校舎は温度や湿度を人工的に制御するが、木造は木が空気中の水分を吸収、放出して湿度調整してくれる。健康を考えると、成長期にある子どもには木造校舎のほうがふさわしいと思う」と述べられている。 もちろん木造だから何でも良いわけではなく、効果が出ている校舎は化学系の塗料は使っていない『無垢の白木』だそうだ。 ※一部にH14年11月18日付読売新聞を引用 |
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第七話 ホルムアルデヒドと発ガン性 | |
住宅建材の接着剤や塗料に使われている『ホルムアルデヒド』の発がん性が認定された。 中央環境審議会の化学物質評価専門委員会は新築住宅でせきや眼痛を起こす「シックハウス症候群」の原因物質とされる「ホルムアルデヒド」が、身近な生活の中で発ガン作用をもつ危険性(リスク)が高いと判断。詳しい評価をはじめることを決めた。 有害性が確定した段階で、環境基準の新設や排出企業へ徹底管理を要請するなどの対策に乗り出す。 ホルムアルデヒドは市販の家具に多用されている。このため「低ホルムアルデヒド」などと消費者の追及をかわす商品が出回り始めている。 しかし、「低」とは現在ある基準に対して相対的に低いだけのことで、健康に害がないと確信されているわけではない。 基準はいつの世でも徐々に下がるものなので現状の低レベルが将来危険性が高いと判断されることは疑う余地が無いだろう。 身近で使う家具にはホルムアルデヒドを含む接着剤が使われている「集成材」や「化粧板」などは避けたい。 塗装もホルムアルデヒドを含まない自然塗料を選びたい。 特に学習机を選ぶときには、子どもの健康に配慮した家具選びをして欲しい。 ※一部にH15年1月22日付読売新聞を引用 |
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