平成14年8月10日(土)〜9月30日(月)
   
 郵便切手は情報連絡の手段である手紙類の郵送料金として使用するもので、所定の切手を貼れば、世界の隅々の地域にまで配達されます。そのため郵便事業は国営か公社のような公立の機関で運営されています。各国は、国、地域を代表する切手図案をデザイン、印刷など技術の粋をこらして発行しています。図柄は国の元首、著名な学者・芸術家・民族衣装、特徴ある産業、歴史的な建造物、貴重な動物・植物・昆虫などが取り上げられ図案化され、発行国の文化や歴史を理解するメディアにもなっています。
 イギリスで最初に発行された1840年代から、デザインなどが芸術性に富んでいたことから郵便使用以外に多量に購入して、装飾品にしたり、壁紙に使われたりしたそうです。現在は郵便切手として使用する意外に、世界中に多くの切手収集家(郵趣家)がいて、それぞれの興味に基づいて収集されております。現在までに発行された郵便切手の種類は60万種、毎年1万種以上の新切手が世界で発行されております。
 昆虫の郵便切手は今までに5000種以上が発行されていますが、純昆虫切手の1号とされているものは、やはり人との関わりの深いカイコの切手(1930年、バレンチノ共和国)であります。

 人間は古来から、自分の体を温かくやさしく被覆し、しかも容姿を美しく飾ってくれる衣服を求め、カイコを始めヤママユガ科の中でもテンサン、サクサン、シンジュサン、エリサンなどの繭から絹糸を操り特徴ある絹織物が製造していました。
 一般のカイコ(家蚕)に対して、野蚕、その糸を野蚕糸と呼んでいます。ヤママユガ類は一般に大型で、蛹は食用として珍重され古来から親しまれてきました。また、成虫は複雑な斑紋と美麗な色彩を有し、生息地域が限定していたり、斑紋などが微妙に違うなどの地域特性があることから、その容姿を図柄として発行国の特徴を現した郵便切手が世界各地から発行されています。



 
「カイコ(家蚕)とヤママユガ類(野蚕)の世界の切手」にご協力いただいたのは、独立行政法人農業生物資源研究所、動物生命科学研究所(前農水省蚕糸昆虫研究所)の研究員である栗林茂治博士の収集、所蔵されているもので、蚕糸、絹糸虫類に関する世界で発行された総ての切手であり大変貴重な郵便切手であります。