☆☆棚田☆☆


我が家の下にあまり広くはないが棚田がある。以前は見事な棚田であったらしいが、昭和53年に農作業の機械化ができるように 小さな田んぼをまとめて現在の姿に改田した。

棚田の上部に村道があり、そこからの眺めはすばらしい。村道は天龍川から標高差でおよそ100メートル上にあり、 棚田は天龍川近くまで続いていて視界を遮るものがなにもない。棚田越しに見る河岸段丘に広がる天龍川の西側の集落と 中央アルプスの眺めが実によい。空木岳、南駒ヶ岳など中央アルプスの山々を眺める特等席であろう。
そんな訳で訪れるアマチュアカメラマンやアマチュア画家をよく見かける。山々は四季折々の姿を見せてくれるが、 田植えの時期が最も賑やかである。その頃には毎日通ってくるカメラマンも居る。

このすばらしい眺めをもたらしてくれるのは、視界を遮るものがない棚田である。写真家は写真に電線や鉄塔など人工物が 写ることを嫌う。棚田の中を有線放送の電線が横切っていたが昨年撤去された。農作業の姿を写すと30年前に撮った のではと思わせる写真が撮れる。

この棚田にも悩みがある。ここで稲作を続けているのは3軒である。いずれも高齢者であり、いつまでも続くとは思えません。 すでに棚田の最も下方の田んぼでは10数年前から稲を作っていません。水を張った田んぼに雪の峰々や夕焼けを写した 美しい眺めが見られなくなるのもそう遠くと思われます。そんな心配を抱いていたら3年前から近隣の農家の方々が共同で 棚田を維持することになった。昨年はお酒を作るのに適した品種を作付けした。しばらくの間、棚田は維持されそうです。

中川村飯沼には観光施設と云えるものはなんにもない。だが、人が作り出した田んぼと自然が与えてくれた地形が調和した 素晴らしい眺めがある。ここの眺めは飯沼集落の誇りであり宝であると思う。棚田は観光ガイドブックには載っていない穴場でもある。

この棚田の眺めはいつまでも残したいものである。