平成12年3月の上旬横浜から中川村へ引っ越し田舎暮らしを始めました。田舎暮らしを始めたと云っても都会暮らしから急に変われるものではあり
ません。横浜での暮らし方を、殆どそのまま中川村で行って居るのに過ぎません。
引っ越し前に一番心配したのは食料品の買い物です。中川村飯沼集落には商店がありません。ものを買うには車でおよそ10分走らなければなりませんが、
そこでは満足な物が手に入りません。はじめの頃は地理不案内と情報不足でちょっと不自由でしたが、半年過ぎには解決しました。
車で20分から30分走ると大型スーパーに行けます。このスーパーは横浜のスーパーとあまり変わりません。衣料品は品数が少ないが、牛乳、パン、
卵など横浜より安く買えます。まとめ買いすることで日常困ることはありません。
都会と田舎では大変違って感じられることがあります。田舎の人は素朴で親切で人がいいことです。こちらから心を開いて接すれば向こうからも心を開いてくれます。
ちょっと驚いたのは、転居して自治会に入会した際の記念品に白米15キロ戴いたことです。また、その際、ご近所の方から休耕田を貸してやるとの申し出があり、借りて野菜を作ることになりました。休耕田で作業しているとそばまで来て種芋の植え付け方や種を播く時期や蒔き方を丁寧に教えてくれました。
頂き物が多いのにも驚きました。専業農家で生産しているとは云えキャベツ、大根、キュウリ、キノコなど頂ました。すべてを買わなければ成らない者にとっては誠に有りがたいことであります。
それ以上に感激したのは、その際、転居疲れや持病の体調を気遣ってくれたことです。
転居して予想外であったことの一つは過疎の山里は余りにも人が少ないことです。我が家の前の道を歩いて通る人はほとんど見かけません。
一日に車が20台ぐらい通るだけです。人と会話する機会が非常に少なく、人にもまれて都会暮らしをして来た者には人が恋しく感じ、ときには精神的に不安定に成ってしまうこともあります。こんな時気遣って声を掛けてくれた時には涙が出るほどうれしく感じました。
従って田舎では人に会えば挨拶を交わし立ち話もします。農作業の暇な時期には隣の家や気の合った人の家にお茶のみに出掛けますし、来てもくれます。
過疎が進む山里に移り住んでちょっと困ったことがあります。一つは郵便ポストが近くにないことです。手紙の配達は毎日ありますが、出すのには車でおよそ10分走っていかなければなりません。
借りた田んぼで少しばかりの野菜を作り、ときには野草を摘み、地元の方々とつき合い自然の恵みを頂戴する。また、横浜に居た時と同じようにスーパーに買い物に出掛ける。
畑に行く時も、買い物に行く時も、はがきを出しに行くにも、ときとしてお隣の家に行くときも車を使います。田舎では車なしでは生活できません。
転居した当初はいろいろな不安がありましたが、1年経ってやって行ける自信がつきました。
田舎暮らしについて考えてみます。田舎暮らしとは、田舎に住み、手軽に得られる自然の恩恵を受け、利用して楽しむことではないでしょうか。
都会暮らしとは、都会に住み、欲しいものをすべて買い求める暮らし方のことでしょう。
昔と違って今は田舎での暮らしと都会での暮らしの落差が非常に小さくなっております。田舎で生活している若い方たちの大半は、田舎に居て欲しい物をすべて買い求める生活をしています。田舎での田舎暮らしは年寄りの生活の仕方かも知れません。
軽トラに乗り、麦わら帽子をかぶり、草刈機を振り回していても横浜での生活と同じ暮らし方をしていたのでは田舎暮らしをしているとは云えません。
もっか田舎暮らしの見習い中で半都会暮らしをしていると云うのが妥当のようです。