ディジタルセットトップボックス(STB)用リモコンの作成     ホームページに戻る

                           

 
CATVもデジタル化され、つまらない地上波よりCSの映画やアニメチャンネルが見られるよう、
デジタルSTBを付けたけど、予想どおり付属リモコンは難ありです。
 僕は、同じメーカのDVDレコーダを持っているし、多少機械ものに慣れているのでいいとは言うもの
の結構やっかいだし、まして素人や機械オンチが使うのには、難しすぎです。

  左がSTB(panasonic TZ-DCH520B)用、右がTV(HITACHI W37P-HR9000)用

 チャンネル数が30数局
あることもありますが、見るまでの手順は次のとおり。(STB用リモコンで操作)
  @テレビ電源入
  ASTB電源入
  Bテレビ入力切替「ビデオ○」変更又は確認
  C選曲 「地上」or「BS」or「CATV」ボタン+「チャンネル番号」
   (チャンネル上/下ボタンや、3桁のチャンネル番号入力でも可)

 Bは固定して省略できますがその他、省エネを考えなければAのSTB常時電源オンもできますがちょっ
 と・・・、と言うことで最低4回ボタンを押す必要があります。
  市販品も少なく、使いやすそうなものも無いので、テレビの操作もできるSTB用の簡単リモコンを作る
 ことにした。


仕様(目標)
 
普通のTVを見るように、電源ボタンで、TVとSTBの電源が入り、局数限定で番号ボタンで見たい局
をダイレクトに選局する。(3桁のチャンネル番号を送信する)
 それに、TVの音量とチャンネル上/下選局ぐらいの機能を持たせる。

リモコン信号
 ネットで調べると、以前
ビクターのリモコンを作ったときと仕様が変わっている。
 最近は、
NECフォーマットとか家電製品協会(家製協)フォーマット等があるらしい。
  
  NECフォーマット リーダ部on 9ms、 OFF 4.5ms データ長6バイト
    家製協フォーマット  リーダ部on 3.4ms、OFF 1.7ms  データ長8バイト
            *時間は中心値で許容幅あり
  NECの方は、単純にデータ長を長くすればよかったが、家製協の方はデータ長に加え、リーダ部の長さ
  が変わっている。最初それに気づかず失敗した。

 前使ったの解析器を6バイトまで表示させるように変更し、各ボタンのデータ値を呼んだ。

  TV :NECフォーマット

    1-2バイト目:カスタムコード 50AF
     3バイト目:データ         
      4バイト目:3バイト目の補数

 STB:家製協フォーマット
    1-4バイト目:カスタム、機器コード 02208026
     5バイト目:データ  
     6バイト目:3−5バイトのパリティ

   ボタンのコード

市販リモコンの流用
 
ケースやSWは一から作って手ごろのサイズにするのは時間がかかるので、市販リモコンを流用することにした。
 ホームセンターに売っていた、ボタン数もちょうどよい汎用リモコンを使うことにした。(約800円)

 

  中身を見ると、ボタン部分、CPU、セラロック、電解コンデンサ、赤外線LEDとそれのドライバトランジスタ・バイ
 アス抵抗ととってもシンプルのつくりである。
  LEDやトランジスタの順方向電圧は0.7−0.9Vなので、CPUとセラロックを外して、AVRのI/Oを基板に
 つなげば流用して使えそうだ。
  AVRを入れる場所があるか心配であったが、図の電池ケースの下側なら20PDIPは十分入るスペースがある。
  また、基板とAVRをつなぐ配線を基板の裏に持ってくるスペースがとれないので、セラロックのある右下部の基板を
 カットすることにした。

    AVR接続後

ボタン入力処理
 
ボタンは、回路図のように横5本×縦4本のマトリックス状になっているので、それをうまく活用して入力処理をする。
 具体的には、横5本(Bポート)を入力ポート(プルアップ抵抗有)、縦4本(Aポート)を出力ポートでLow設定し、
Bポートのピン変化で割り込みをかける。横ラインのどのピンがLowになったか調べ、次に縦出力を順次lowに切り替え
どの縦ラインか探しだし、どのキーが押されたか判定する。
 (回路図のボタンの番号と記号は配線面から見て左からの並び順に付けた。)
ソース
 ・ボタン判定部以外は、以前のリモコン処理をほとんど流用。
 ・常時パワーダウンのスリープモードで待機させ、I/Oピンの変化割り込みで、起動させる。(常時電流0.5μA程度以下)
  ・1つのボタンで複数信号を出す場合は150ms間隔を置き、連続送信を防止するため全データ送信後は255ms待って処理を終了。 

回路図 Attiny26Lとヘッダーピンと配線以外は、既設流用のため部品の詳細仕様不明
 

ボタンの割当
 
上側の数字以外のボタンは、消音ボタンを除いて、表示どおりの操作をする。消音ボタンはCSの局を割り当てた。
 1−6のボタンは、地上波デジタルを割り当て、7−12ボタンはCS放送を割り当てた。
 BS放送は、頻度が少ないのでBSボタンを押した後、チャンネルup/downで選局する。

 

信号波形
 
発信する波形を見てみた。キャリア信号は、なまっているが約39KHzです。
   TV用
  STB用

終わりに
 完璧とまでは言えないけれど、当初の目標どおりのものが出来て結構満足です。
 TVとCATVの電源連動は、両方同時に動作するか心配でしたが、チャタリングも無くうまくいっています。
 作ってから気がついたが、tiny26Lの保障最低電圧は2.7Vなので、単V2本でどれだけ使えるか?
 1.8V仕様のtiny2313V等を使うべきでした(^^);