8、平和がみちあふれる郷土をめざして <赤須喜久雄の訴え>
登戸・伊那村・帝銀事件(陸軍第9化学兵器研究所)

@<第一回> 11・PM と伊那村   【イレブン・ピーエムといなむら】
                                    (現、駒ヶ根市東伊那)

 死刑確定から32年、1987年(昭和62)5月10日、平沢貞通は95才で獄死した。
 平沢死刑囚が獄死した直後の、5月25日夜、テレビ信州・イレブンPMで「帝銀事件第4弾・何が飛び出す再審模擬法廷、いま衝撃の新証言」が放映された。
 そこには東伊那小学校の校舎の前に立つ、伴繁雄氏が登場し、字幕で「元陸軍第9研究所が疎開していたところ」「伴氏が住んでいるところ」と紹介していた。
  元・陸軍第9化学兵器研究所、第2課1班長、陸軍技術少佐・伴繁雄氏・・・そして帝銀事件・・・東伊那、一体何があったのか・・・・・と驚きテレビにくぎ付けになった人は多かった。
 テレビを見た人の記憶をたどると次のようである。

【質問】 帝銀事件に関しては?
【伴氏】 青酸カリの犯行ではなかった。青酸ニトリールである。判決認定が間違っている。
【質問】 青酸カリとの違いは?
【伴氏】  帝銀事件の症状は青酸カリでありようはずがない。3分から数分で効果があらわれている。青酸カリの場合は即効果があり死ぬ。
【質問】 どこでつくった薬か?
【伴氏】 これは陸軍でつくった薬だ。おそらく登戸「第9研」でつくった薬だ。
【質問】 どのようなものなのか
【伴氏】 無色透明、無味無臭である。個人差はあるが、飲んでから数分で効果がある。
【質問】 犯人みずから飲み方を実演したのは?
【伴氏】 上みずを飲めば何ともない。
【質問】 どういう人体実験をしたのか?
【伴氏】 僕は手をくだしていない。手を下したのは731部隊であったり、他の部隊・100部隊であったりした。
【質問】 薬品の効き目から見て、入手出来る人は?
【伴氏】 陸軍が管理、渡したのは4、5人。犯人は平沢ではない。デッチあげである。元陸軍の関係者がかかわっている。
【司会者】 今の証言には驚きました。今後も勇気ある証言がどんどん出てくることを望みたいと思います。・・・と結んだ。

メ モ <731部隊とは>

・ 満州第731部隊(関東軍防疫給水部)
・ 日本陸軍の細菌戦部隊
・ 世界で最大規模の細菌戦部隊は、日本全国の優秀な医師や科学者を集めて、3000人の捕虜を対象に
  生体実験を行い、細菌兵器の大量生産を急いだ。
・ この技術とノウハウは、現在の米軍生物化学戦部隊に受け継がれている。
・ 第731部隊の記録は、終戦と同時に完全に抹消され、戦史の空白となっている。
・ 最高責任者―石井四郎中将は戦後何らの責任も問われていない。

<100部隊とは>

・ 関東軍、軍馬防疫廠
・ もう一つの細菌戦部隊
・ 731部隊の研究成果を基礎に、家畜と植物を対象とした細菌戦部隊。

<つづく>

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