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MP3Player製作6(ver5)     06.3.20更新




 こりもせずMP3プレーヤの製作です。
 基本的には、ニャンプレーヤとほとんど変わっていませんが、今回はEAGLEを使い基板起こしに初挑戦しました。

◇部品
 
CPU ATMEGA8 TQFP32
  内蔵OSC 8MHz

 ・
デコーダチップ VS1011B LQFP-48  入手元(海外)JELU Web-Shop
  ピンピッチ0.5mmのため半田技術が必要ですが、仮想グランド端子があるためアナログ出力にコンデンサが不要となり
  部品を減らせ低音域の音もよくなる(らしい) 

 ・電源DC/DC  MAX1674EUA  今回メーカサンプル品を使用 (Digi-Key等で入手可)
  MAX778より高効率、入力電圧範囲が0.8V〜 なので電池1本動作を目指したが、起動時の負担や電源回路Trの電圧
  降下で無理でした。
   追記 情報を頂ました。m(__)m 1.3V以下の場合ショットキダイオードが必要とデータシートにあります。

 ・記録メディア mimiSDカード
  小サイズ・省電力を目指しminiSDカードを使用しました。 ソケット(ALPS製SCJB0101)は海外(mouser)から入手。

 ・基板
  EAGLE(CadSoft Computer社のフリーソフト)で、データを作成しP板.comに発注し作成。
 ・パーツリスト

◇基板作成
 
 EAGLEの詳しい使用方法は、「趣味の電子回路工作(井上さん)」のHPで分かり易く解説されていますので、そちらを見て
  ください。

  ○パーツ
   今回使用したパーツ類は、基本的にEAGLE添付のものが使えますが、一部の部品は追加しています。
    VS1011B(LQFP-48)・miniSDカードソケット(ALPS製SCJB0101)・MAX1674EUAはちあきさんが作成されたものを使用。
    DDTB142JU(SOT-323)、BCR133(SOT-23)、BAT54CW(SOT-323)はパーツ作成。
    いずれも、基板データに入ってます。
  ○回路図作成
    基本的に従来の回路を、EAGLEに置き換えただけです。
    
  ○パターン作成
    初めてだったし、EAGLEにもなれてなかったので試行錯誤でした。
    <考慮した点>
     ・なるべく小型化をはかる
     ・当たり前ですが作成後の変更は出来ないので、未使用ポートをオプションとして将来使えるように端子を設ける。(使用
      ポートを整理してDポートを空けた)
     ・SW類は端子を設け、別配置
     ・midiSDソケットのみ裏面へ配置
    P板.com用のデザインルール設定や基板作成用(ドリル)データ作成方は、こちらです。
    部品配置、特に間隔をどの程度にするか戸惑いながら実施しました。
    配線はほとんど自動できてすごいソフトだと感心しました。
    自動で出来ない部分は、手で作りましたが操作に手間取りました。
    配線を考えた配置をすれば、全自動でいけます。(その辺は経験でしょうか)
    
    基板データ

  ○基板作成用(ドリル)データ作成・発注
    回路、部品配置確認を何度も行ったあと、作成しました。
    P板.comさんHPの手順に従い作業し、発注しました。
    今回は、両面、37.8mm×54.6mmを6枚、5日コースで依頼し、約25千円(1枚約4100円)でした。    
        P板.comさんの基板作成は、シルク印刷文字が少しずれた部分を除けば、満足できる仕上がりでした。 
    

    

 ◇ソフト
    ○ニャンプレーヤと基本的に同じ。(操作方法等)
    ○miniSD動作確認 128/512MB/1GB  
     携帯用として売られていた128MBのものは、FAT16でフォーマットされていたがなぜかそのままだと認識できなかった?PC
     で再フォーマットしたら、問題なく使用出来ました。
     512MB/1GBのものは約4000円の格安品ですが問題なく使えます。
    ○省電力設定追加
     ・入出力ポートを今回見直し、たまたまVS1011のDREQ信号がタイマ1のキャプチャ入力に割り当てたので、これを利用して
      アイドルモードを利用しました。(復帰条件)
     ・VS1011のデータ処理中キー入力確認後、CPUをアイドルモードに移行させ上記条件で復帰。
     ・約210→190mW 約10%減
     ・アイドル動作に対応させるため、キー入力ルーチンを少し見直し。

 ◇ケース
   ニャンプレーヤのような面白いものをいろいろ探しましたがなくて、結局タカチのSW−65(45x25x65mm)にしました。
   
 ◇電池
   いろいろ探して、寿命が長く最近主流になっているリチウムイオン電池にしました。
    東芝 LAB503759C2 3.7V 1100mA 35x58x3.4mm 22g
    大きさ容量とも最適。  
    再生時間(効率を80%として想定) 3.7x1100/190x0.8≒17時間、SW−65の蓋にぴったり収まりました。
     
    3.7V電源にしたら問題発生。ロックSWを切った状態で電源と他のボタンを同時に押すと周り込み回路が出来て電源が入ってしまう。
    電源以外のボタンのコモン部に逆圧防止用のショットキーダイオード追加。SW側の配線で対応できてよかった(^^;) 
               
    また、電源off時ホールド回路が切れても残留電圧でD/Dがある時間出力し続けるため、再度CPUが起動してしまったり不安
    定な状態になった。こちらも、停止・起動のソースに手を加え対策しました。
      MAX1674EUAはステップアップ方式なので入力電圧(最大4.2V程度)は出力電圧(3.3V)以下でないとまずいのかデータシートで
      読取れなかったので、メーカに問合せたら入力は5.5Vまで問題ないと回答を頂きました。

   ・リチウムイオン電池の充電
    リチウムイオン電池の場合問題になるのが充電です。(放電も注意が要りますが)
    充電は、適正にしないと危険(爆発)で寿命にも影響します。専用の充電器を使うのがベストですが、少し高いし1セル専用の
    ものもあまりない。そこで、ネットで調べたら専用のICが安価で手に入りそうなのでそれを使い自作しました。
    リチウム電池充電IC LTC4054-4.2
     @充電電圧4.2V
     A5ピンに接続した抵抗値で充電電流を設定  Imax[mA]=1000/R[kΩ]
     BI=Imax/10で充電停止
     C1ピンに接続したLEDで状態を表示 電源on:暗灯、充電中:点灯、充電完了:消灯
     データシートの回路に、12Vアダプタと5Vの3端子レギュレータをつなぎ作成  R:2.2kΩ Imax:約450mA(0.4C充電)
    リチウムイオン電池は特性・注意事項 を理解した上で使用して下さい。
    
◇仕様

項  目    

仕 様 概 要

CPU

Atmel ATMEGA8 TQFP32 8MHz(内部発信回路)

デコーダ(DAC・DSP)

VS1011B LQFP-48 

対応フォーマット

MPEG 1& 2 Layer-3, Layer-3の2.5拡張、VBR対応全てのサンプルレート、ビットレートに対応

記録媒体

mimiSDカード、MMC SPIモード使用、128・512MB・1GBにて動作確認          
FAT16のみ対応・ロングネーム(VFAT)対応
ルートデレクトリおよび一つ下のサブディレクトリMP3ファイルを演奏
曲数制限 ディレクトリ数 15(ルート+14)、ディレクトリ内曲数 20曲  最大300曲
データはパソコン等でメディアに転送しそれを使用

状態表示(LED)

電池電圧を曲間に点滅表示 3.8Vup3回,-3.6V:2回,-3.4V:1回,3.4V- 無
演奏モードを
点滅で表示(設定時)
エラー(起動時点滅後停止) 1回:カード異常、2回:FAT異常、3回:MP3無、4回:MP3異常 

操作SW

電源入再生&停止電源切&ポーズ、1曲先送(FF)、1曲戻し(REW)、ボリューム上げ、下げ の5ボタン ディレクトリアップ:FF長押、ディレクトリダウン:REW長押 
強制リセット:'ボリューム上げ'を押しながら
電源入、 ロックSWにより不要動作防止

演奏モード

全曲1回演奏(速い)、ディレクト繰返し演奏(普通)、1曲繰返し演奏(遅い)
モード変更はポーズ中にボリューム上げボタンで設定  ()ないLED点滅速度
演奏順は、デレクトリ名およびファイル名の先頭2バイトでソート(ニャンプレーヤ 参照)

電  源

リチウムイオン電池 東芝 LAB503759C2 3.7V 1100mA、充電器 LTC4054-4.2を用い作製
DC/DC(MAX1674EUA)にて約3.3V、消費電力190mW、
電圧約3.0Vで演奏停止  

ケース

タカチ SW−65(45x25x65mm)

回路図・ソース

回路図α ソース hexfile

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇感想・反省
    プリント基板作成は、半田付け作業時に楽ができる反面完成後修正が簡単に出来ないので、パターン設計時には結構
    気を使いました。
    とくに、パーツの極性(自作したもの)や大きさを間違えないように注意が必要です。それでもBAT54はSOT23を使うつもり
    がSOT323を発注してしまったのであわてて修正しました。
    VS1011の0.5mmピッチ半田付けはあまり、自信がありませんでしたがフラックスを使用する事で割と楽にできました。
    チップ部品の半田付けは、背の低くく小さい部品からやるべきですね。 BAT54を後からやったので少し苦労しました。
    また、VS1011の周囲はなるべく広いスペースがあった方がいいと感じました。最初につけるので問題ないはずですが、
    万が一あとで接触不良が判明した場合作業するスペースが無いと大変です。 今回クリスタルが近すぎました。
    あまり意識していなかったけど、部品名称や極性のシルク印刷がランドにかさなり見えなくなり、作業性が悪くなりました。