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身近な木で作る 古材を生かす 材つくり 木に棲む虫 樹木図鑑



身近な木で作る 工房楽木で家具に使われる主な木材
古材を生かす 古材をリフォームした家具
材つくり 樹木が家具の素材となるまでの過程
木に棲む虫 木と共に活きている虫の生態
樹木図鑑 工房楽木の敷地の木を中心に解説










身近な木で作る

里山の木が生きる。


脚物


テーブル

天板 コナラ(どんぐり)
クヌギ(どんぐり)
ヤマサクラ
エノキ
ハンノキ
クルミ
ヤマサクラ
ハリエンジュ
椅子 座面 クリ
クルミ
キリ
ヤマサクラ
ケヤキ
箱物


サイドボード

ワゴン
クリ

ヤマサクラ

引出 キリ
ミズキ






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古材

一度使われた木でも立派な木材です

家を壊すと大量の木材が「廃材」として発生する。
現状では、チップにされて「紙」の原料となる物がほとんどのようだ。

古民家の屋根裏を見てみると、ほぞ穴が所々に開けられた物が使われている。
一見して再利用された古材だと判る。
一昔前までは、解体した家の材料をもう一度再利用することは当たり前だった。
解体したら、使えるものは再利用するのが本当だろうが、現状の建築システムにはなじまないようだ。
木工屋でも、古材を生かすことはできないかと思案している。
とりあえず、できることから始めてみた。

上がり框などのケヤキの廃材がテーブルになり(左写真をクリック)
柱などの廃材が座卓になります(右写真)




 解体現場では見過ごされてしまいがちな細い床柱でも、身近な木工品の材料として思い出深い品として甦る。(左写真をクリック)



古材として廃棄される木の中には、このような銘木が含まれている

ケヤキ
木目の美しさ色の美しさはやはり別格
シタン
最も硬い木のひとつ宝石のような光沢
ミズメ
柔らかい色合いながら硬さも併せ持つ
イチイ
辺材の白と芯材の赤身のコントラストが美しい

古材を再生した作品の紹介はこちら⇒ 古材再生

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材つくり

丸太が木工の材料として使えるようになるまで
 

工房楽木で「材木」が「木材」になるまでには、次のような手間をかけています

 長野県森林組合連合会(県森連)が運営する伊那木材センターの木材市場で材木屋に混ざって競争入札。 入札のある日は必ず参加するが、個人経営の木工屋はもちろん私のみ。市は年に20回ほど開かれるが、いつどんな木が入荷しているのか分からないので、 すべて出向いていないと良い丸太にめぐり合えない。
 運良く落札できた丸太は、ある程度貯まるまで市場に置いておく。 軽トラックしか持たない身では一本数百キロから数トンもある丸太を運ぶためには大型トラックを借用する必要がある。 大型トラックで効率良く運搬するために、数立方メートルは貯めないとならないが、市場には大変迷惑を掛けていて申し訳なく思っている。
 4トンのトラックを借りてきて丸太を運搬する。この車はいつも格安の料金で貸していただいている「有賀製材所」のトラック。 フォークリフトによる積み込みは材木代金に加算されて市場に支払う(一立方メートルあたり650円)。 荷崩れしないように気をつけて積み込むが、広葉樹の丸太は形がいびつなので積み込みに手間取ることもある。
 丸太を積み込んだら製材所へ運搬し、製材所のフォークリフトを操作して荷を下ろす。 トラックの荷台に山積みになった丸太をフォークリフトで積み替える作業は簡単ではないが、必要に迫られてそれなりに扱えるようになった。 積み替えた丸太の山はそのままにしておいても製材されないので、寸法を指定する必要がある。
 丸太の素性を見て何を作る材料とするかの予測をたてて厚みを決めるが、木の価値を決める大事な作業だけにいつも悩む。 厚みを丸太の木口に書き込んでおくと製材所の親父さんが板にしてくれる。丸太を見て木取りを決めるのは親父さんの眼力に頼るしかない。 製材の良し悪しを決める大事な能力で、この道40年になる親父さんにすべてお任せ。
 板にされた木材は製材所の片隅に積み上げられる。多いときには10立方メートル以上あるが、このままにしておけばカビたり、 腐ったりで材料にならない。軽トラックを使って土場へ移送するのだが、長尺材は短く切らないと運べないから、すべて2メートル材と3メートル材に切り分ける。 製材したての木は水分をたっぷり含んで重いから、一度に運べる量は0.3〜0.5立方メートル程度。
 製材所と土場を往復すること数十回。10立方メートルも原木があると、朝から夕方まで運んでも一週間近くかかる。 タダ単に運ぶだけではなく、板の寸法を測定し番号をふって記録する。板はすべてデータベース化してあるので、必要となったときに、 樹種、厚み、長さ、積んである土場の位置がすべて明瞭となっている。その反面、一枚一枚のデーターを記録する手間を惜しめない。
 土場は一箇所では広さが確保できないので、数箇所に分散させている。 分散することには他にも利点があって、日当たり・風の強さ・周りの湿度などが異なるために、木に合わせて土場を選ぶことができる。 土場に合った木と合わない木があることは経験してみて始めて解った。
 草が伸びて積んである木に触れないように年に数回草刈をする。刈り取った草は相当な量になるため焼却処分する(草刈面積は1500u以上)。 街場では「野焼き」はご法度になったが、田舎では生活に密着した大事な作業。草は腐らしても炭酸ガスを発生するから野焼きは温暖化の原因にはならないし、 草や木を燃やして発生するダイオキシンを問題にして、焼却場で刈り草を処分するなど全く考え方がおかしい。

土場での作業の様子

@ A B C
D E F G


平面の出た、材料の長さに合わせた土台@を、柱の古材Aで作る .

次に、「桟木」を作りB板と板の間に入れる(桟積みの山一箇所当たり100本程)

ある程度積み上がったところでトタン板で屋根をかぶせる

こうして一箇所に2〜3立方メートルの「山」が出来るC
もちろんすべて手作業

じつは、桟積みに必要な材料を調達するのが大変
桟木は不良材を選別して、厚さを決めて切り出す

切り出す際に生じた木っ端Dは、定尺にそろえて切断し積み上げるE

風呂の薪や薪ストーブで暖房に使用するF

また、おが屑は畑で堆肥に積み野菜の肥料となるG



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木に棲む虫

木材に棲息する虫   ・ 庭の立木に棲息する虫



・木材に棲息する虫

 桟積みしてある木材や身の回りの立木には、多種多様な虫が棲みついている。
木の中に巣を作る虫、木を食材とする虫、木に棲む虫を利用する虫など、利用の仕方はさまざまだが、 ほとんどの場合はありがたくない隣人(隣虫?)であることに変わりはない。
木に棲む虫に焦点を当てて、虫の視点から木を見てみよう。


1.クマバチの幼虫の棲家ができるまで。

@ A B C D E

@自然乾燥のために桟積みしてある木材にクマバチが群がってくる。
A好みの硬さの木材に穴をあけ始める。
Bコツコツと掘り進むうちに木屑がだんだん貯まってくる。
Cしばらくたつとこんなに!
D中を開くと幼虫の部屋がぎっしり並んでいる。
E部屋には、エサと思われる固まりと幼虫が入っている。



2.蜂との共生

@ A B C

@断りも無く勝手に巣を作って雨をしのいでいる。
A木の裏側に作るものもいる。
Bクマバチに限らず、木の中に入り込む蜂には困ったものだ。
C木を運ぶ時には蜂除けの完全防備。


3.木に穴をあけて棲みついている虫 その一

@ A B

@カンナをかけていたらぽっかり穴が開いて中からカミキリムシが顔を出した。
Aたまたま死んでいたが引っ張り出してみると穴に比べてこんなに大きい。
Bカミキリムシの幼虫。乾煎りするとカッパえびせんになることは意外と知られていない。


4.木に穴をあけて棲みついている虫 (その二、タケトラカミキリ)

@

@体長2cmほどのカミキリムシがエンジュの木に棲みついている。
A穴から這い出すところ。



5.木に穴をあけて棲みついている虫 その三

@ A B C

@体長数ミリの小さな昆虫が小さな穴を無数にあけることもある。
A木屑だらけになりながらも子孫を増やすための営みにはせっせと励む。
Bエンジュの木が好きなようでいたるところ穴だらけ
C長い産卵管を木に差し込んで産卵の最中なのかな。



6.木の周りをうろつく虫

@ A B C D

@赤色が鮮やかなホタルカミキリ
A小さくて判りつらいが「ダニ」です。
Bせっせと虫を捕まえてくれる蜘蛛は『益虫』だなと感謝。
C木に棲みついているとも思えないが、色鮮やかな毛虫がたくさんいる。
Dクマバチのあけた穴を横目に散歩する毛虫。

庭の立木に棲息する虫


1.クリの木で暮らしている虫

@ A B C

@アリとアブラムシが仲良く共生。
A羽化したアブラムシだろうか。
B見慣れない虫がパクリ。
C木に取り付いたアブラムシも食べる。たくさん食べてよ!



2.ヤマサクラの木で暮らしている虫

@ A B C D

@ヤマサクラの葉を凄まじい食べ方で筋だけにして、残るは糞・ふん・フン・・・・。
A糸を巻き付けて大勢でたむろ。
Bコメツキムシはじっとしているだけ。
C蝉が動かずにじっとしているので不思議に思って近づくと、
D口先をしっかりと突き刺して食事の最中でした。



3.小柿(万柿)で暮らしている虫

@
A
B C D
E F G H

@一列縦隊で葉を食べている毛虫。
Aどうやらこれが卵のようだ。
B成長すると黒い体が葉っぱの緑になり、白い毛がふさふさ。
Cさなぎになったまでは良かったが、
Dよりによって車のホイール。さなぎは目が回わらないのだろうか?
E蜜を求めてコガネムシその一。
Fコガネムシその二。
G蜜といえばもちろん蜂。
H葉っぱのベッドで何を待つのかモリアオガエル。



4.梅の木で暮らしている虫

@ A

@梅の木に取り付いたアブラムシを食べる、てんとう虫の幼虫。たくさん食べてよ!
Aさなぎになってじっと待つ。



5.ナツメの木で暮らしている虫

@

@枝にぶる下がって懸垂のトレーニング。



6.椿の木で暮らしている虫

@

@何の卵かな?



7.庭木で暮らしている虫

@ A B C
D E F

@いろんな素材を集めたミノムシ。
A凄みさえ感じさせる外観の毛虫。
BC芋虫いろいろ
D小さな小さなコガネムシのようだ。
Eトンネルのような巣を張って待ち構える蜘蛛。
Fせっせと幼虫の世話をする親蜂。



8.ホダ木に暮らす虫

@ A B

@庭先においてあるシイタケのホダ木。
A上部の腐り始めたところになにやら白い虫が・・・。
B剥き出しの幼虫がいた。カブトムシの幼虫のようだ。
普段は黒い寒冷裟が掛けてあるので、暖かいのだろう。



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