8、平和がみちあふれる郷土をめざして <赤須喜久雄の訴え>
赤須喜久雄・諸国行脚 奥の細道の巻 M

赤須喜久雄・諸国行脚「奥の細道の巻」・・・・・・< その1―M >

M  つれづれ会と 「 奥の細道 」
                ≪ 赤穂公民館・文化サークル ≫ 1982(S57) 5月〜12月


  「奥の細道」の学習会を行います。古典をとうして、われわれはいかに生きるか考えよう。語り合おう。・・・ と、有線放送でお知らせがあった。
  講師は中城正先生で、世話係は小林多麻子さん。
  8年前「奥の細道行脚」をして以来、断片的であっても芭蕉に関係する旅を数回経験してきた。ぜひ本物の「奥の細道」を学びたいと思い参加した。会員は12名で、テキストは「旺文社文庫の現代語対照・奥の細道」。さらに「新潮文庫の荻原井泉水著・奥の細道ノート」。「角川文庫のおくのほそ道」であった。

  <月、2回のペースで5月14日から12月の23日まで、16回>

  定例会のときには、まず読み合わせをし、その所について中城先生が解説をする。そして、みんなで分からないところを聞いたり、感想を述べ合ったりする。
 時には“紅葉会”で「いっぱい」もやった。
 私にとって、はじめは難しくてよく理解できなかったものが、終わってから改めて読み直してみると、それなりにわかるようになった。

◎  さび(寂)、 しおり、 細み、 ゆうげん(幽玄)、 ふうが(風雅)、
   さらに、にほひ、ひびき、軽み 

・・・・・ などは、いまもって自分自身よく体得できないでいるが、8ヶ月間の勉強会は、その度ごとに新たなものを吸収でき有意義で楽しいものであった。
  中城先生が 「 芭蕉が、いまでは考えられないような困難な旅にでたのは、何故であったか?」 ・・・ と解説してくれた、次の言葉が印象に残る。

『  この旅をうながした根本の力は、 “ 月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人なり ”という世界観である。あらゆるものは旅の性格をもつという考え方の根底は、あらゆる現象を、流動するもの、変化するものとして受けるところにある。しかも流動変転するものは、それを動かす力がある。 
  それを、造化
ぞうか(生滅、変形してやむことのない天地・万物)として感じとった。
  造化にもとづく世界観から、人生もその性格においてつかまれ、そこから生まれる芸術もまたそれに性格づけられる。
  「古人も多く旅に死せるあり」と感じ、自己をも「いづれの年よりか片雲の風にさそはれて漂白の思いやまず」というようにその系列の中に発見する。 
・・・そこから旅の境涯が生まれてくるのである。  』   ・・・ と。


 

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